2017-01-27

EU:もう1つのアップル事件 -Knijff Trademark Attorneys

かつてリンゴはリンゴというだけで、特にリンゴに名前はなかった。今では果物のブランド化傾向がますます顕著になってきており、ピンクレディ(Pink Lady)のようにブランドになっている。ピンクレディの品種名はクリップスピンク(Cripps Pink:西オーストラリア州農業省によって開発されたリンゴの品種)だ。

ピンクレディ(クリップスピンクというりんご品種のうち、国際的な統一品質基準を上回るものの商標名)の権利者は豪州の“りんご・なしオーストラリア(APAL)”で、商標の保護にはとても積極的だ。最近一番のライバル、アメリカピンクレディ協会に対する訴訟をみても、そのすべてで成功しているわけではない。この2つの組織は世界中で訴訟合戦を引き起こしてしまいそうだ。

欧州連合(EU)では、アメリカピンクレディ協会がワイルドピンク(WILD PINK)商標を出願したところ、APALは異議を申立てた。結局この異議は認められず、審判でも判断は覆らなかった。

ピンクレディとワイルドピンクで共通する文字はピンクだけであるが、APALはこの文字ピンクに識別力があると主張した。しかしながら、EUIPO(欧州連合知的財産庁)はこの主張を認めず、通常普通名称として扱われる品種名クリップスピンクにはそもそもピンクという文字が含まれている。さらにリンゴの多くはピンク色をしているということで、この文字要素ピンクは記述的であるとし、両商標には他に類似点がないことから上訴は退けられた。

本文は こちら (Wild or a lady?)