2017-03-15

EU:意匠審査はセンスの問題? - Knijff Trademark Attorneys

企業は名称やオリジナル・ロゴを使って自他を識別する。また独自のデザインとパッケージも増えている。デザインとパッケージは意匠登録によって保護することができる。最も迅速にできる知財手続きは欧州のデザイン登録だが、EUIPO(欧州連合知的財産庁)は正式な要件を満たす意匠出願のみ審査している。要件の1つは、明瞭なデザイン画像だが、明瞭な画像とは何だろうか?それはデザインのクリスタルクリアーなデザイン写真のことだろうか?それとも、また写真の被写体にも要件があるのだろうか?

この疑問にたいして、最近ECJ(欧州司法裁判所)によって回答がなされた。ドイツのリキュール銘柄イエーガーマイスターの製造元であるマースト・イエーガーマイスター(Mast-Jägermeister) 社はカップのデザインを意匠出願した。しかし、写真にはボトルも入っていたため、EUIPOは正しいイメージの提出を求め、意匠出願を拒絶した。マースト・イエーガーマイスター社は、ボトルはデザインの一部ではないと主張、拒絶を不服とし審判請求した。最終的にEUIPOはマスト・ジャガーマイスターの審判請求を退け、出願意匠を拒絶した。

今回、ECJは登録を求められている意匠によって保護されるべき事項に関して、正確性、確かさ、明確さが欠如している場合、EUIPOがその意匠出願を拒絶できるかどうかという疑問に対する答えを導き出した。それは「EUIPOは拒絶できる」というものであった。EUIPOに徴収される手数料が対象デザインに関連する商品の区分数によって異なる限り、「明確化」は、第三者(デザインに与えられた保護の対象を正確に知る必要のある)の法的確実性を担保する目的だけでなく、会計目的でもある。

本文は こちら (It’s a matter of taste)