2017-08-24

韓国:出願人の商品選択の便宜を向上させる特許庁改正告示施行(2) - Kim & Chang

出願時に認められる商品名称の範囲を拡大し、出願人の商品選択の便宜を大きく向上させる「商品の名称と類区分に関する告示」(2017年6月29日改正;以下「商品名称告示」)が2017年7月5日に施行された。

韓国は1999年1月8日に「標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定(Nice Agreement Concerning the International Classification of Goods and services for the Purposes of the Registration of Marks, 以下「ニース分類」)に加入して以降、現在までニース分類を採用しており、韓国の商品分類は原則的にニース分類の商品区分(Class heading)及び注釈(Explanatory Notes)に従うことになっている。従って、韓国特許庁で認める商品名称を規定している商品名称告示の商品目録(以下「告示目録」)はニース分類の商品目録と概ね類似するが、両者は完全には一致しない。

今回の改正商品名称告示は、これまでは告示目録に含まれていなかったがニース分類及び欧州連合知的財産庁(EUIPO)の商品目録には含まれている商品名称を告示目録に新たに加えたもので、追加された名称は主に商品区分第5類、第8類、第10類、第38類、第42類及び第44類に属するものでその数は計4,012におよぶ。もちろん、出願人は告示目録に明示されていない名称であっても具体的に特定された名称であることを主張・立証して登録を受けることができるが、告示目録に明示されている名称であればいかなる主張・立証の必要もなく直ちに認められるという点で、今回の改正により出願人の商品選択の便宜が向上されることが期待される。

特に、従来は出願人が具体的な名称に限定する補正をしないかぎり、包括的もしくは不明確であるという理由で拒絶されていた以下の名称が今回の改正告示目録に新たに加えられ、出願人は希望する権利範囲の商標登録を確保するのに要する時間と費用を大幅に抑えることができるようになった。

特徴的な例として、2012年に発表されたNICE第10版の初期には第5類の具体的な商品として認められていた「薬剤」は、その後、包括名称に該当するとして「人体用薬剤」または「動物用薬剤」などに細分化しなければならなかったが、改正告示ではより幅広い「医薬品(pharmaceuticals)」という名称を具体的な商品名として認めているほか、これまで包括名称に分類され限定が求められていた「芸能娯楽サービス業(N41002)」、「指導業(N41006)」、「教育業(N41007)」も広義の包括名称として認めている点が注目に値する。
(弁理士 李瓊宣)

商品名称 区分
医薬品(Pharmaceutical) 5
医薬組成物(Pharmaceutical compositions) 5
注入用薬剤(Implantable medicines) 5
はさみ(手工具)(Snips[hand operated tools]) 8
足マッサージ機(Foot massagers) 10
身体用あんま機(Body massagers) 10
電気作動式マッサージ機(Electrically operated massagers) 10
医療機具(Medical instruments) 10
穀粉(Flour) 30
データ送信及びデータ放送業(Data transmission and data broadcasting) 38
双方向放送及び通信サービス業(Interactive broadcasting and communications services) 38
テレビ番組の無線伝送及び放送業(Wireless transmission and broadcasting of television programs) 38
芸能娯楽サービス業(entertainment services) 41
シミュレータを利用した訓練業(training services provided via simulators) 41
指導業(instruction services) 41
教育業(teaching) 41
工学報告書準備業(Preparation of engineering reports) 42
工学サービス代行業(Engineering services for others) 42
工学試験業(Engineering testing) 42
工学妥当性調査業(Engineering feasibility studies) 42
工学プロジェクト管理サービス業(Engineering project management services) 42
工学プロジェクト研究業(Engineering project studies) 42
技術監督及び検査業(Technical supervision and inspection) 42
技術検査サービス業(Technical inspection services) 42
技術検査業(Technical testing services) 42
技術工学業(Technical engineering) 42
技術文書作成業(technical writing) 42
技術調査提供業(Provision of surveys[technical]) 42
技術調査サービス業(Technical survey services) 42
新製品研究業(Research into new products) 42