2017-11-20

インド:「®」を付けた未登録商標を刑事告発 - Chadha & Chadha IP

2017年10月に、チェンナイの補助商標登録官は、未登録商標に「®」記号を使用したとして、商標法第107条(虚偽の商標登録表示に対する罰則)に基づいて4事業者を刑事告発した。IPO(インド商標登録部)によるこのような刑事告発は前例がない。

商標法第107条は、偽って未登録商標に登録商標である旨の表示をした者や、登録商標の一部として分離して登録を受けていないものについて,分離して商標として登録を受けている旨の表示をした者に対して、3 年以下の拘禁若しくは罰金に処し又はこれらを併科すると規定している。

 今回、未登録商標の「Kidsfun」と「Tofo」に「®」記号を不正に使用したとして、補助商標登録官に告発されたのは、「Quality Sweets & Namkeens」、「Kids Fun Foods India Pvt. Ltd.」、「Gunal Foods Pvt. Ltd.」、「SRK Food Products」の4事業者である。

未登録商標には「TM」記号が付けられることはある。つまり、出願中や出願はしないが商標として使用する標章を示すためだが、「®」記号は商標が登録されていることを示すもので、未登録の商標には使用できない。

 本件は、2016年8月に「Rajini Food」の一社が商標登録官に情報提供を行い、登録官が被告人に告知し、被告人は正当な理由を述べる機会を与えられた後、聴聞日程が定められた。しかし、告発された事業者は誰も聴聞会に現れることはなかった。 

IPOはこれまで殆ど頼りにされてこなかったが、商標法に規定されている刑事責任を明らかにし、未登録商標に「®」記号を付けるという欺瞞的な使用を阻止するための歓迎すべき動きである。また、商標権者に商標の使用ポリシーを厳格に遵守することを再認識されるとともに、インドでは商標を登録していない限り「®」記号を使用してはならないことを通知する役割も果たしたことになる。

本文は こちら (IPO files criminal complaint for falsely representing unregistered marks as “Registered” and using the “®” symbol)