2018-02-26

日本:特許庁、今年度の商標審査に関するユーザー評価調査結果を公表

特許庁は、商標審査の質に対する内外の要請に応えるため、商標審査における改善すべき点をユーザーからの指摘を通じて明らかにし、商標審査の質の維持・向上のための施策等に反映することを目的としてユーザー評価調査を実施した。今回の調査では、ユーザー420者を対象とし、約9割の回収率を得た。
商標審査に関する全体としての質の評価については、約50%のユーザーから「満足」及び「比較的満足」の回答を得られた一方、個別項目の中で「悪い」及び「非常に悪い」の評価の割合が高かったのは、「審判決との均質性」(19.7%)、「審査官間の均質性」(17.6%) 及び「識別性の判断」(15.2%)の項目でした。ユーザーが重要視している項目である「識別性の判断」、「類似性の判断」、「審査官間の均質性(判断の均質性)」等については、引き続きその質の維持・向上を図る必要があるとの判断を示した。

全体評価
商標審査に関する全体としての質の評価において、「普通」以上の評価の割合は92.8%であり、そのうち、「満足」と「比較的満足」の評価を合わせると、48.3%の割合を示した。最近(1年程度)の審査の質全般の印象の変化については、「良くなってきている」の評価が 21.4%の割合を示した。昨年度と比較すると、商標審査に関する全体としての質の評価においては「満足」または「比較的満足」の肯定的な回答の割合が若干低下するとともに、「不満」の否定的な回答の割合も低下している。最近(1年程度)の審査の質全般の印象の変化については、「良くなってきている」の肯定的な回答の割合が向上した。

識別力の判断
識別性の判断について、「普通」以上の評価の割合は84.8%であり、「満足」と「比較的満足」の評価を合わせた肯定的な回答の割合は35.5%であり、一昨年度(30.3%)昨年度(31.4%)より向上した。「不満」と「比較的不満」の評価を合わせた否定的な回答は15.2%の割合を示した。

類似性の判断
類似性の判断について、「満足」と「比較的満足」の評価を合わせた肯定的な回答の割合は43.5%であり、昨年度(39.4%)より4.1%上がり、一昨年度(32.0%)からは11.5%と大きく向上した。「不満」と「比較的不満」の評価を合わせた否定的な回答は11.2%の割合を示した。

審査官間の均質性
審査官間の均質性について、「満足」と「比較的満足」の評価を合わせた肯定的な回答の割合は30.1%であり、昨年度(23.3%)より6.8%上がり、一昨年度(22.2%)からは7.9%向上した。「不満」と「比較的不満」の評価を合わせた否定的な回答の割合は17.6%であり、昨年度(19.3%)より1.7%下がり、一昨年度(27.1%)からは9.5%と大幅に低下した。

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