2018-06-19

EU:「H&M」と「H&C」 - Knijff Trademark Attorneys

消費者は商標にある文字に注目をするというのは商標法の標準原則で、説明的なものを除けば、多くの場合文字は商標の要部となる。
文字をロゴ化した場合も、文字が要部となればロゴを登録するのが理にかなっているだろうか?答えはイエスだ。通常、文字とは別に図形要素にも識別力があるもので、例えば、色、フォント、個別の図形要素などに識別力がありえる。文字が適度に似ているだけなら、図形要素の類似性が決定的なものとなる可能性が高い。

最近の例で、H&Mは出願商標「H&C」に対して、図形としての類似性を理由に異議を申立てた。文字「H&M」と「H&C」は外観的に類似するとは言えない。しかし、EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、赤い文字、フォント、「&」記号の配置によって、両ロゴの全体的な印象はとても類似していると判断した。H&Mは、当該商標の集中的な利用によって識別力が高まったことを立証したが、たとえ保護範囲の拡大がなくても、H&Mの異議決定が維持されたものと我々は確信している。ゆえに識別力のある文字要素と図形要素があれば、商標として登録することを勧めている。

本文は こちら (H&M against H&C)