2018-07-27

英国:UKIPO、使用意思のない大量出願行為を容認せず - Novagraaf

フランスを代表するワイン生産者に降りかかった紛争について、代理を務めたNovagraafのTrecina Surtiが解説する。マイケル・グレイスナー氏に対する「悪意の出願」を理由とする異議申立が功を奏した事件。マイケル・グレイスナー氏は、過去数年間に数百に及ぶ企業の名前を大量に商標出願したことで大きな注目を集めていた。Novagraafは、La Société Civile du Château Pétrus(ボルドーの高級ワイン、シャトー・ペトリュスの生産会社)を代理して、グレイスナー氏の企業グループに対して、悪意を理由に異議を申立て、2018年5月2日にUKIPO(イギリス知的財産権庁)から異議を認める決定を勝ち取った。

悪意の出願
Petrus Limited International(グレイスナー氏が所有している企業)は、3類、14類、25類、26類および38類で、「PETRUS」商標の登録申請を行った。それに対して、NovagraafはLa Société Civile du Château Pétrusを代理して、異議申立てを行った。Petrus Limited Internationalは、答弁書は提出したものの、何も証拠を提出せず、2018年3月20日に行われた聴聞会にも出席しなかった。
異議は、La Société Civile du Château Pétrusの評判、コモン・ロー上の権利、悪意の出願を理由にしたものであったが、UKIPOは英国商標法第3条第6項(商標は不誠実で出願された場合、その範囲において登録されない)の不誠実のみを根拠として異議を認めた。聴聞官は、Petrus Limited Internationalという会社が出願人だが、グレイスナー氏がこの会社の唯一のディレクターであり、グレイスナー氏は反論の証拠を提出しなかったため、彼の動機がPetrus Limited International による「PETRUS」商標の所有にあると判断した。
Novagraafが提出したグレイスナー氏と彼の活動に関する証拠の多くは伝聞証拠であったが、伝聞証拠がとても重要に扱われ、グレイスナー氏自身に関する事実の多くを証明することに成功した。グレイスナー氏の失敗は、提出された証拠に対する有効な反論ができなかったことにある。
異議成立の決定では、Ferrerro SpAの商標[2004] RPC 28を引用している。これは古い事件だが、使用意思のない商標の収集に対するものとしては有効なものであった。また、防護目的ではなく、出願時に使用意思がなく悪意によるものであるとしたEUIPO v Copernicus Trademarks Ltd Case T-82/14の事件も引用した。結局、Petrus Limited Internationalに異議成立の決定が申し渡された。

ブランドオーナーへの影響
「PETRUS」の異議成立の翌日に示されたもう1つの決定は、2016年12月13日にグレイスナー氏がUKIPOに登録しようと試みた商標「EASY」である。この出願に対して、Easygroup Limited が異議を申立て、悪意の出願であるとして異議が成立したもので、「PETRUS」商標の異議で述べられた多くのポイントを反映したものであるようにみえる。
UKIPOは、グレイスナー氏に対して悪意を理由とした多くの決定を出すことにより、裁定機関が使用意思のない大量出願行為を容認せず、そのような出願人からブランドを守るブランドオーナーを安心させている。

本文は こちら (Success against Gleissner for ‘PETRUS’ trademark)