2018-11-26

中国:商標の国際登録の期限 - 林達劉グループ

中国国内商標出願と比べ、マドプロ国際出願にはその独自の特殊な規定が数多く存在する。中国の法律において、マドプロ登録出願に関する規定が「中華人民共和国商標法実施条例」(以下「商標法実施条例」という)などに記載されている。本文は中国を指定する領域指定出願の期限について簡単に紹介することを目的とする。

1.商標の審査期限
国際登録商標の商標ファイルに規定する通知日(Date of Recording)は国際局が国際登録出願の領域指定を各主管局に通知した日であり、即ち、各主管局が領域指定した出願について審査を行い、かつ審査意見を発行する起算日である。「マドリッド協定」及び「マドリッド協定議定書」の関連規定により、各主管局は当該通知日より12ヶ月又は18ヶ月以内に審査を行わなければならない。審査期限を超えた場合、その主管局は職権に基づいて当該国際登録出願を拒絶する権力を喪失することになる。出願人の基礎登録の国別により、マドプロ国際出願商標の審査期限も異なる。マドリッド協定のみの締結国、そして協定と協定議定書両方の締結国における審査期限が通知日より12ヶ月以内であり、マドリッド協定議定書のみの締結国における審査期限が通知日より18ヶ月以内である。

もし、商標局は審査期限内に拒絶査定通知を発行しない場合に、中国を指定する領域指定出願が中国において保護されることになると見なす。通常、商標局は期限内に拒絶されていない登録出願に対し、事前に「領域指定出願の保護声明」を発行するが、理論上、審査期限内に商標局より拒絶査定通知を発行する可能性もあるため、中国で正式に保護されることになると見なすわけではない。従って、商標が正式に保護されることになる時点が依然として拒絶査定できる審査期間が満了した後である。その後、出願人は商標局に商標登録証明の発行を申請することができる。

2. 拒絶不服審判請求の提出期限
された翌月の1日より計算する。国際登録出願への異議申立の提出期限は中国国内の場合と同じ、3ヶ月間である。ここで注意しなければならないのは異議申立の提出締切日が3ヶ月目の最後の日である。例えば、商標国際公告日が2018年1月16日であり、その異議申立の提出期限が2月1日より3ヶ月を計算し、5月1日ではなく、4月30日である。

3. 商標異議申立の提出期限
中国国内出願の異議手続きの後置の方式と異なり、国際登録出願については異議手続きの前置の方式を採用する。異議申立の提出期限は被異議商標が掲載される「国際商標公報」が出版された翌月の第1日より計算する。国際登録出願への異議申立の提出期限は中国国内の場合と同じ、3ヶ月間である。ここで注意しなければならないのは異議申立の提出締切日が3ヶ月目の最後の日である。例えば、商標国際公告日が2018年1月16日であり、その異議申立の提出期限が2月1日より3ヶ月を計算し、5月1日ではなく、4月30日である。

4. 三年不使用商標への取消請求期限
「商標法実施条例」第49条第1項には、「『商標法』第49条第2項の規定に基づき、国際登録商標を取り消すよう請求した場合、当該国際登録商標の拒絶期限が満了してから3年間後、商標局に請求できる。拒絶期限が満了した時、かかる商標がまだ拒絶不服審判中又は異議申立中にあった場合、商標局又は商標審判委員会より下された登録許可決定の発効日から3年満了した後、国際登録商標を取り消すよう商標局に請求できる。」と規定されている。そのため、三年不使用の理由で国際登録商標を取り消すよう請求する前に、当該国際登録商標の拒絶期限が満了してから3年間を超えたか、拒絶不服審判又は異議申立があったかについて事前に確認する必要がある。

5. 無効審判請求の提出期限
「商標法実施条例」第49条第2項には、「『商標法』第44条第1項の規定に基づき、国際登録商標の無効宣告を請求する場合、当該国際登録商標の拒絶期限が満了した後、商標審判委員会に請求できる。
拒絶期限が満了した時、かかる商標がまだ拒絶不服審判中又は異議申立中にあった場合、商標局又は商標審判委員会より下された登録許可決定が発効した後、商標審判委員会に請求できる。
『商標法』第45条第1項の規定に基づき、国際登録商標の無効宣告を請求する場合、当該国際登録商標の拒絶期限が満了してから5年間以内に商標審判委員会に請求できる。拒絶期限が満了した時、かかる商標がまだ拒絶不服審判中又は異議申立中にあった場合、商標局又は商標審判委員会より下された登録許可決定が発効した日から5年間以内に商標審判委員会に請求できる。悪意による登録について、馳名商標の所有者は5年の時間制限を受けない。」と規定されている。

6. 商標更新の提出期限
国際登録商標の有効期間が10年である。中国国内登録商標の商標権者は有効期間が満了する前の12ヶ月以内に更新を出願しなければならないのに対し、国際登録商標の場合は有効期間が満了する前に更新手続きを行う時間が明確に規定されていない。実務において、有効期間が満了する前の6ヶ月以内に国際局は商標権者に更新の関連事項及び有効期間満了日を非公式に通知する。商標権者が有効期間内に出願できない場合、国際局が6ヵ月の猶予期間を与える。猶予期間内に依然として出願しない場合、国際局が当該国際登録商標を取り消す。上記期限内に更新を出願した国際登録商標の有効期間が10年延長される。中国国内登録商標と比べ、通常国際登録商標の更新出願に対する審査期間のほうがより長い。そのため、登録商標の有効期間が満了した日に更新出願がまだ許可されていない状態で販売に影響を与える状況が現れないように、できる限り早めに更新手続きを行ったほうが得策だと思われる。