2019-01-18

EU:「H2O +」の識別力 - Novagraaf

商標「H2O +」の商標登録申請はEUIPO(欧州連合知的財産庁)によって拒絶されたものだが、2018年11月27日にEU一般裁判所は、出願された標章には識別力がないと結論付けた。

商標の登録要件
商標として登録するには、ブランド名やロゴなどの記号が特定の要件を満たしている必要がある。特に、関連する公衆が、他人の事業の商品やサービスと商標を付した商品やサービスを区別できるようにするためには、「識別力」となる特徴を持たなければならない。商標がこれらの要件を満たしていない場合、商標の登録を拒絶されるか、または登録に異議が申立てられ取り消される可能性がある。
保護が求められている(支配的な)要素または記号要素が、商品・サービスに対して識別力がない、または記述的である場合、識別性の登録要件は満たされない。したがって、識別性を評価する際には、その標章がどんな商品・サービスに使用されるかが重要だ。

獲得した識別力
実務的には、識別力のない標識はのちに識別力を獲得した場合にのみ商標保護を得ることができる。言い換えれば、商標が集中的および/または長期間に使用された結果として、特定の商品・サービスの商標が特定の会社に由来すると認識され始めた場合だ。

Water+
2018年11月27日のEU一般裁判所の決定は、米国の会社、H2O Plus LLCが2016年10月に出願した以下の図形標章に関するものだ。 

H2O Plus LLCは、国際出願登録で3類と5類の商品、つまり化粧品、日焼け用クリーム、にきび用製品に対してEUの保護を求めたが、EUIPOの審査官は、識別力の欠如を理由に当該商標の登録を拒絶し、審判部もそれを支持した。H2O Plus LLCはその決定を不服としてEU一般裁判所に上訴したが成功しなかった。

EU一般裁判所は、EUの消費者や製品の観点から、関連する公衆にとって十分に識別力がない標章であると考えた。審判部同様、EU一般裁判所は、関連する公衆が水の化学式(H2O)と演算記号「+」を組み合わせた2つの平凡で日常的な記号だと簡単に認識できるため、識別力がないと判じた。

またEU一般裁判所は、ヴィーナス・シンボルを横向きにした表現も拒絶されると述べている。なぜならば、関連する公衆はそのように認識しないからだ。ヴィーナス・シンボルは占星術や天文学で広く知られており日常生活の中でも使われている。この場合、そのサインが横向きに表現され、それゆえ珍しく新しい形にさえ見える。しかし、ヴィーナス・シンボルが広く知られている水の化学式、すなわちH2Oの一部ともなれば、それ自体として消費者に認識されることはない。結局、この判決でEU一般裁判所は、商標「H2O+」の登録を拒絶することを支持した。これは、H2O Plus LLCが欧州連合への商標登録の拡大に失敗した状態が続いていることを意味している。 

本文は こちら (H2O+ not suitable as a trademark)