2019-04-18

日本:商標審査の質に関するユーザー評価調査報告書を公表 - 特許庁

特許庁は、平成26年度より、商標審査の質の維持・向上のための施策等に反映することを目的として、商標審査の質に関するユーザー評価調査を実施している。平成30年度の調査では、商標審査の質全般に対して47.7%のユーザーから肯定的な評価(満足と比較的満足の合計)を得たが、最近1年間の傾向で「良くなってきている」との回答は21.4%で、「変化なし」との回答が最も多く59.1%であった。

ユーザー評価が比較的高かった項目は、「識別性の判断」、「類似性の判断」、「指定商品・役務の判断」、「主張の把握」、「基準・便覧との均質性」、「拒絶理由、補正指示、拒絶査定に関する必要な説明や理解しやすい文言」、「審査官とのコミュニケーション(電話・面接対応)」などであり、ユーザー評価が比較的低かった項目は、「審判決との均質性」、「審査官間の均質性」であった。 

また、「識別性の判断」に関する否定的な評価は過去3年間で増加傾向を示しており、審査判断が甘いというコメントがある一方、審決例と比べて厳しすぎるとの意見も見られた。また、「【拒絶理由】必要な説明」に関しては、類似する商品・役務がどれなのかなど拒絶理由をより具体的に記載することを求める意見があり、「審査官間の均質性」に関しては、審査官間、審査官と審判官との間において、ほぼ同じ内容の意見書を提出しているにもかかわらず、異なる判断をされるケースが多いように思う、との意見があった。
特許庁は、調査結果を踏まえて、引き続き審査の質の維持・向上に努めるとしている。

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