2019-09-24

日本:商標制度による店舗の外観・内装の保護に向けて - 特許庁

特許庁は、令和元年9月19日に開催した産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会の第27回商標審査基準ワーキンググループの配布資料が公開された。

それによると、店舗の外観・内装の商標制度による保護に際して商標審査基準を改訂するとし、現状では想定していない⼿続きに関して以下の課題と対応の方向性を示している。

課題(1)-1:⽴体商標の記載⽅法として、破線(権利化を求めない部分)の記載を許容する
(対応の⽅向性)
⼀部を破線で記載した⽴体商標は、⽴体的形状の全体が特定されないとして、現状どおり、原則、商標法3条1項柱書に該当するが、店舗の内装のように、家具、什器、壁や床の装飾など、複数の⽴体的形状を組み合わせた構成からなる⽴体商標の場合は、権利化を求める⽴体的形状を明確にするため権利化を求めない⽴体的形状を破線で記載できることとする。

課題(1)-2:⽴体商標の記載⽅法として、願書の商標記載欄の表⽰として⽴体商標を表す写真等の端が切れている表⽰を許容する
(対応の⽅向性) 
⽴体商標を表す写真等の端が切れている表⽰で記載された⽴体商標は、⽴体的形状の全体が特定されないとして、現状どおり、原則、商標法3条1項柱書に該当するが、例えば、店舗の内装のように、写真等の端が切れない表⽰で記載することが困難であって、かつ、写真の端が切れている記載であっても、商標の詳細な説明等により商標登録を受けようとする⽴体的形状が特定し得れば、⽴体商標を構成するものとして認めることとする。

課題(2):複数の⽴体的形状の組合せからなる⽴体商標を許容する
(対応の⽅向性)
複数の⽴体的形状から構成される⽴体商標は、全体として⼀つの⽴体的形状を特定できないとして、原則、商標法3条1項柱書に該当するが、「願書中の商標登録を受けようとする商標を記載する欄へ記載した商標」及び「商標の詳細な説明」から、例えば、店舗の内装のように、恒常的に⼀つの組合せを構成するとの印象を与え、全体として⼀つの⽴体商標を表⽰したものと特定できる場合は、本項柱書に該当しないとする。

今後、商標審査基準改訂案のパブリックコメントを本年12月~1月に実施し、商標審査基準WGでの審議を経て、 令和2年2月に改訂商標審査基準の公表を予定するとしている。

産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会の配布資料は こちら