2019-12-17

ニュージーランド:まもなく知財法と手続きを変更- IPONZ

ニュージーランド知的財産庁(IPONZ)は、知的財産法に影響を与える規制法(経済開発)修正法案(以下、「法案」)の裁可(Royal assent)を受けたことを告示した。

この法案は、2002年商標法、2006年地理的表示法(ワイン及びスピリッツ)、1987年植物品種保護法を含むさまざまな法律を改正するもので、2020年1月13日に施行される。重要な変更は次のとおり;

2002年商標法への影響
「期限切れだが回復可能:Expired but restorable」のステータスは「登録済み(権利満了):Registered (past expiry date)」に置き換えられる(第59条、第60条および第60A条)
* 権利満了後に商標権を回復する「グレースピリオッド」は6か月に短縮される。
* 権利満了の商標は、新しいステータス「登録済み(権利満了)」として登録簿に残る。これにより、以下の場合「登録済み」商標として扱われる。
 1.商標権者が商標権を維持するためのアクション(例:譲渡や取消し)を申請できる。
 2.第三者が該商標に対して申立てを行うことができる(例:不使用取消)。 
* 商標権の行使に関連する恩恵の一部は、「登録済み(権利満了)」商標に適用されない。

改正の施行前に、「期限切れだが回復可能」ステータスにある商標は、現状の手続きで更新することができる。

同一の商品・サービスにおける証明商標と標準商標の所有権の制限(第13A条および第14条):
2002年商標法の新規定第13A条と修正規定第14条は、証明商標の所有者が同一の商品・サービスを指定して標準商標を登録できない、またその逆も同様であることを明確にしている。 

局長は、聴聞費用の担保を要求する場合がある(第167条):
現状では、聴聞費用の担保の提供は当事者が海外に拠点を置く場合にのみ命令できる。改正第167条は、当事者が費用を支払うことができないと信じる理由がある場合に担保の提供を命令できるように長官の権限を強めている。

商標登録の取消(第65条、第66条および第68条):
取消の理由が明確で特別な状況ではない場合、商標の登録を維持する裁量がないことを明確にするために、第66条を若干改正する。

一定の者の代理としての申立(191条):
2002年商標法第191条は、他の法律で規定されているため廃止される。

2006年地理的表示法(ワイン及びスピリッツ)への影響
地理的表示法(GI)に基づく更新手続きで、これまでの「期限切れだが回復可能」ステータスは「登録済み(権利満了)」ステータスに置き換わる。ただし、2022年までは地理的表示の更新予定はないため、この変更による影響は限られるものと予想される。

本文は こちら (IP Legislation and Procedural Changes Soon)