2020-07-31

英国:BREXIT移行期間終了後にマドリッド制度利用者に与える影響 - WIPO

英国の欧州連合(EU)離脱協定は、2020年12月31日までの移行期間を定めている。英国政府は、移行期間終了を前にEUで有効な国際登録の標章に関する英国での保護を継続するための措置を示した。

2021年1月1日時点で、欧州連合知的財産庁(EUIPO)に於いて係属中のマドリッド制度に基づく国際登録出願 
EUを指定した国際登録出願に関して、2021年1月1日時点にEUIPOで登録も拒絶もされていない商標の出願人は、2021年1月1日から9ヶ月以内に英国知財庁(UKIPO)に英国の国内商標として登録出願をすることができる。その場合、先にEUを指定した国際登録出願の日付は維持される。

2021年1月1日以前にEUで保護されたマドリッド制度に基づく国際登録
移行期間終了後、移行期間終了前にEUで保護されている全ての国際登録については同等の英国商標として登録簿に記載される。
新たに付与される国内商標は英国法に準拠する。そのため権利者は直接UKIPOと対応しなければならない。

マドリッド制度の下での英国商標の一元管理
移行期間終了後、保有者は付与された英国商標のもとになった国際登録に英国を事後指定できる。マドリッド協定議定書第4条の2の規定に基づき、国際登録は同等の英国商標に代替することで、保有者は一元管理のメリットを享受できる。また、保有者はUKIPOに対し自己の登録簿に国際登録について記載するよう要請できる。また、以前に英国を基礎としてEUを指定した国際登録についても、保有者は英国を事後指定することができる。
ただし、保有者は英国で同等の権利が自動的に形成される一方で、英国の事後指定はUKIPOによる審査を受け、異議申立のために公告されることに留意する必要がある。
詳細についてはUKIPO様式TM28を参照のこと。

移行期間終了後も英国民または英国法人としてマドリッド制度を継続して利用する場合
英国はマドリッド議定書の締約国であるので、UKIPOを本国官庁として国際登録出願をし、英国を通じて権利主張できる。しかし、移行期間終了後はEUIPOを本国官庁として出願したり、EUを経由して所有権変更等を請求できなくなることに留意されたい。

本文は こちら (Brexit Agreement: Implications of the End of the Transition Period for Madrid System Users)