2021-02-09

米国:商標近代化法が成立 - SMD Country Index

2020年12月27日、ランハム法に影響を与える2020年商標近代化法(TMA:Trademark Modernization Act)が成立した。TMAは、不確かな使用を主張する出願や登録に異議を申立てる新たな手続きを導入しており、2021年12月27日までの施行が予定されている。

主な変更点は以下の通り;
* 不使用を理由とする2つの一方的再審査手続
TMAは、商取引で一度も使用されたことのない商標の登録を抹消するために、誰でもUSPTO(米国特許商標庁)に申請することができる査定系取消手続(Expungement proceeding)を導入する。この手続きは、登録日から3年経過後10年以内に行わなければならない。
さらに、USPTOは査定系再審査手続(Re-examination proceeding)を導入し、登録者の使用宣誓日から5年以内に、該商標が使用されていないことを理由に、誰でもUSPTOに再審査を申立てることができるようになる。

* 取消手続に新たな根拠
TMAは、商取引上で登録商標が使用されていないことを根拠とする登録取消請求と実質的に同等の新しい根拠を導入する。これは登録から3年経過すればいつでも請求できる。

* 柔軟なオフィスアクションの対応
TMAは、現行6ヶ月であるUSPTOのオフィスアクションの応答期限を60日から6ヶ月の期間に短縮できるようにする。出願人は、6ヶ月の期間を確保するために期間延長を請求でき、その際、USPTO長官は、延長の回数、期間、料金を定めることができる。 

* 審査中の情報提供(抗告申立)
TMAは、登録前に商標の登録可能性に関する情報提供を行うことを可能にする抗告申立(Letter of Protest)の慣行を法制化した。
TMAは、情報提供に対するUSPTOの対応に2か月の期限を設定し、その料金を請求する権限をUSPTOに与えた。TMAはまた、その証拠を審査の記録に含めるかどうかに関するUSPTOの決定は最終的且つ再審査不可であると規定している。

* 回復不能な損害の反論可能な推定を確立する統一された規則
TMAは、差止めによる救済を求める商標権者は、侵害の認定または救済成功の可能性に基づいて、回復不能な損害(irreparable harm)の反証を許す推定(rebuttable presumption)を認められる権利があると規定している。
この統一された規則は、商標権者が連邦裁判所で侵害者に対して権利行使するためのもので、この規定を有効にするための新たな規則は必要ない。
Source: www.uspto.gov

本文は こちら (Trademark Modernization Act Signed)