ある日、ポンチョやコーヒー豆などの商品を買ったら、パッケージに自分の顔が印刷されていたなんてことがあるかもしれないし、Webページを開いたら、広告の中で自分の顔がこちらを見つめているなんてこともあるかもしれない。知らない間にか自分がモデルとして使われたらどうな気持ちだろう。
ジャーナリストのKayla Brandonは、インスタグラムに投稿した自分と祖母の写真が笑いヨガのオンライン広告やヨガ製品に使われていたのを見つけ、オランダの元国会議員、Sabine Uitslagは、自分の顔が図案化されて大手ドラッグストアのパンフレットに使われているのを見つけた。
雨用ポンチョ
B・J・ノヴァクは、自分の顔が描かれた商品を収集している。すべてに同じ写真が使われている。ウルグアイの顔用ペイント、スウェーデンの香水、EUの雨用ポンチョ、中国のひげそりなど、商品は世界各地に及んでいる。B・J・ノヴァクは俳優（テレビドラマ「ザ・オフィス」に出演）だが、モデルとして働いたことはない。誰が撮影したのか分からないが、デザイナーや広告代理店が自由に使える写真素材データベースに誰かがアップロードしたのではないかと推測している。このような写真は自由に使えるのだろうか？本当に？
B・J・ノヴァクは、幸いにもそれを面白いと思っている。彼は自分の写真が使われている新商品を見つけると、インスタグラムに新商品の写真を投稿して、それで終わりだ。「面白がっている」のだ。しかし、もし迷惑だと感じたとしたらどうだろう？何か対抗する手段はあるのだろうか？あるいは、対価は貰えるだろうか？
肖像権
オランダでは、肖像権の侵害を訴えることができる。肖像権は著作権と関係があるが、あなたの顔はあなたが作ったものではないので、はっきりとした違いがある。この場合、肖像権といってもプライバシーに関するものではなく、いわゆる肖像権の商業的利用に関するもので、肖像が広告や「商業的な記事」に無断で使用された場合、たとえ有名人でなくても、描かれた人物は常に異議を唱えることができる。レーシングドライバーのマックス・フェルスタッペンに似た食料品配達員を起用した広告について現在も続いている裁判では、このような著名人のパロディが違法であるかどうかが問題となった（控訴審では違法ではないと判断された）。もっとも、B・J・ノヴァクの肖像が使用されているパッケージにはパロディの問題は存在しない（特に、例のポンチョについては）。
肖像を商標登録
もうひとつの方法は、肖像を商標登録することだ。手間はかかるが、商標登録されることで、さまざまなメリットが得られる。例えば、スポーツ選手は、トレーディングカードやフィギュアなどの使用交渉で有利になるため、肖像の商標は昔から存在する。肖像の商標は、一度登録するとライセンスは簡単で、肖像画を描いた人が亡くなった後も、長い間権利を維持できる。例えば、ソースやドレッシングに描かれたポール・ニューマンの顔や、ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダースの象徴的な容姿などがいい例だ。
さて、肖像の保護に興味が出てきただろうか？商品やサービスに肖像を使用することに疑問があれば、もちろん、弁理士は喜んでお手伝いするだろう。