2022-01-13

中国:商標実務ノート、CNIPAの迅速な審査と再出願戦略 - Marks & Clerk

CNIPA(国家知識産権局)は、年に何百万件もの商標出願審査に対応しているため、商標登録手続きはやや柔軟性に欠け、官僚的なアプローチを採っていることは、しかたがないことだろう。出願審査を迅速に行うために、審査官の裁量が制限されているようだ。そのため、付随的な行為や関連する行為を考慮したり、許容したりすることはない。

このような慣行において、出願人や代理人は、出願日を慎重に考慮し、(おおよその)審査スケジュールを強く意識して、短く且つ延長不可の応答期限内で作業を行うことを理解することが重要である。これらの要因をうまく調整し、時には第三者による予測不能なアクションを加味することは、中国での商標の日常業務の一部だろう。

商標を出願すると、時として登録商標が引用されることがある。引用の障害を取り除くための一般的な方法は、不使用を理由に先に登録されている商標の取消しを請求することだが、取消請求は商標出願よりもゆっくりと処理され、CNIPAは関連する取消請求の結果が出るまで、出願審査を中断することはない。このような状況下で出願人の立場を守る唯一の有効な方法は、再出願をすることだ。もし不使用の申立を受けた商標の所有者が出願人より先に商標登録の再出願を行えば、その出願審査が優先されることになる。これは、不使用取消の申立を無駄にさせる効果があるかもしれない。

取消を争う場合、結論が出るまで1年以上かかることもある。これは、出願人が商標に対する権利を維持するために再出願を何度もする必要があるかもしれないことを意味している。しかし、相手方が再出願に踏み切り、取消審判の終結時に有効な出願であった場合、そのような戦略は台無しになりかねない。相手方の行動やそのタイミングをコントロールすることはできないので、このようなリスクを完全に排除することはできない。そのため、コミットした出願人にとっては、引例に対応するタイミングが重要な問題となることがある。

CNIPAは、商標出願の審査スピードを加速させているようだが、不使用取消審判にまでは余力がないようなので、この中国の実務の側面は最近さらに深刻になってきている。もちろん、出願は基本的に一方的な手続きであるのに対し、取消審判は当事者間の検討を伴うため、これは理解できることだ。現実的には、関連する取消審判などの結果を待つ間、クライアントの出願を維持することが難しくなることを意味しており、これは、出願人にとってより多くの費用と不使用取消請求が係属している間に複数の再出願が必要となる可能性があり、予測がより難しいことを意味している。 

このように、クライアントには常に選択肢についての情報を提供し、どのような戦略にも内在するリスクを認識してもらうことは重要なことだ。

本文は こちら (China TM Practice Note – CNIPA Expedited Examination and Re-filing Strategies)