2022-01-26

EU:絶対的理由でEUTM出願を拒絶する決定の公開について - EUIPO

欧州連合商標(EUTM)および登録共同体意匠の審査に関するガイドラインは、2022年3月に新版が施行される予定だ。実務上の変更は発効日に適用されるため、ユーザーは事前に変更点を理解しておくことが重要だ。このため、新版のガイドラインで改訂が予定されている主な項目を順次紹介していく。

変更案のひとつは、絶対的な拒絶理由に基づいてEUTM出願を拒絶する決定の公開に関するものだが、今回の変更により、新ガイドラインの発効後に出された決定は、決定が確定したかどうかにかかわらず、通知された翌日に「eSearch Case Law」データベースで閲覧可能になる。この変更が承認されれば、これらの決定が「eSearch Case Law」データベースでの公開が、他の決定(異議申立、取消、審判等)と完全に一致することになる。

実際には、拒絶査定を受けた後2ヶ月の審判期間中にEUTM出願を取下げた場合の表示に変わることになる。この期間中の取下げは引き続き可能なのだが、「eSearch Plus」データベースでは、EUTMは「拒絶(refused)」ではなく「取下げ(withdrawn)」と表示される。今回の変更により、拒絶査定を受けた出願は「eSearch Case Law」データベースで一般に公開され、EUIPOは取下げを記録し、案件を終了させる。
 
現在、このような決定は、最終決定前にEUTMが取り下げられた場合、データベースで閲覧することはできない。本改訂案は、EUIPOの決定を一般に公開しなければならないと定めたEUTM規則第113条に完全に準拠するためのものであり、また、すべてのユーザーの利益のために透明性と予測可能性を高めるという目的にも合致する。

EUTMが審判期間中に拒絶または取下げられた場合、決定自体はEUTM規則第113条1項に従って「eSearch Case Law」データベースで公開されるが、EUTMファイルの内容(受け取った見解、指摘された問題点など)は、EUTM規則第114条1項に従って出願人の同意が得られない限り一般には公開されない。

本文は こちら (Public availability of decisions refusing EUTM applications on absolute grounds)