7年間の係争の末、デリー高等裁判所は、トヨタ(原告)vs Deepak Mangal & Ors(被告)事件の判決を下した。トヨタは1995年にハイブリッド車として“プリウス”(インドでの販売開始は2010年)の使用を開始した。一方、インドの被告企業は2002年にインドで‘Prius’を商標登録し、トヨタのロゴと一緒に‘Toyota’, ‘Innova’ and ‘Qualis’ を付したスペアパーツの販売を行っていた。
Manmohan Singh判事は、判決文の中で、商標登録の有無に関わらず、トヨタが1995年以来、“プリウス”商標をグローバルに使用していることから、先使用と海外での著名性を考慮すると共に、被告企業によるトヨタの信用を損なう商標の利用があった、とした。また、被告企業側に‘Prius’の使用による2億ルピー(約3.2億円)の売上があったことを認定し、トヨタに対して100万ルピー(約160万円)の損害賠償を認めた。
この判決は、海外における著名性と海外における先使用がインド国内における登録商標より重視されることを改めて確認させるものとなった。