原告はソウル駅などで「ソウル恋人 あんぱん」という商号であんぱん売り場を運営し、原告の売り場は全て共通のデザインで、①標章(白地に「あんぱん」という文字が黒の毛筆体で標章の中心部に配置され、その左右に黒で「ソウル恋人」という商号及び赤色の落款が配置されており、「あんぱん」と落款の間に「天然発効種」という字が下段に小さく配置されている形状)、②看板(①の標章を使うが、黒地に「ソウル恋人」という商号、「あんぱん」及び「天然発効種」の文字は白、落款は赤色のままの形状)、③売り場の配置及びデザイン(売り場の上部に②の看板を左端から右端全体にかけて配置し、売り場の下部には売台を配置して売台の一方の端にはレジを、残りの売台の左右幅全体に透明ショーケースを設置して、ショーケースの後ろに即席調理台が設置され、売り場の端には大型あんぱんが映し出されている電光掲示板を配置した形状)を使用していた。 原告会社に製パン技能士として入社して退社した被告1は被告2とともに地下鉄の市庁駅構内で「ヌイエあんぱん」という商号であんぱん売り場を運営した後、被告1は被告2との同業関係を清算して「ヌイあんぱん」に商号を変更して営業をした。原告は被告らを相手に被告の売り場で原告売り場の標章、看板の形状、売り場の配置及びデザインを模倣したものなどを使う行為は不正競争防止法の一般条項違反であると訴訟を提起し、一審はこれを認めた。被告はこれを不服とし控訴した。
法院の判断 原告売り場の看板、内部インテリアなどを含む原告営業の総合的なイメージ(トレードドレス)が相当な投資や労力で作られた成果であるかどうかについて、①原告が商品企画のために日本に数回行って食品売り場の品目、売り場のインテリア、各種広報物のデザインなどを調査した事実、②幾つかのデザイン業者に売り場の標章及びデザインなどの開発を依頼した点、③マーケティング企業に贈り物に関する共同マーケティングを提案するなど、細部にわたる企画に着手した点などを見る時、原告の売り場は相当な投資や労力で作られた成果に該当する。 原告の売り場の標章などに対応する被告らの売り場の標章などがその形状や配置形態などにおいて原告売り場のそれと類似している点、被告が原告会社に入社して退社した後、わずか4ヶ月で被告売り場をオープンした点、その過程で被告は原告売り場の構造、インテリア、各種広報物などの写真を無断撮影した点、一般消費者も被告の売り場を原告の売り場の支店として誤認した点などを考慮すれば、被告らが上記のような被告の売り場を運営することは、原告が成し遂げた成果を公正な商取引慣行や競争秩序に反する方法で被告らの営業のために無断で使用する行為に該当する。