英国のメガネ業者、Specsaversの文字商標”should’ve”と”shouldve”が登録されたニュースにメディアは眉を顰めたが、この驚きの判断は、他の普通に使われる単語商標に関する登録のドアを開いたといえるだろうか。 Specsaversの重要な広告タグラインは“Should’ve gone to Specsavrs(訳:Specisaversに行くべきだったね)”であるが、この中の単語“should’ve”は普通に考えれば商標登録の基準を満たすものではないであろう。商標権が独占的権利であることから、通常商標庁はこのような普通に使われる単語の商標登録には二の足を踏むものだ。 NovagraafのNora Fowler は、「英国知財庁がSpecsaversの文字商標 ”should’ve”と”shouldve” を比較的広範囲の商品・役務(眼鏡関連の商品・役務のみならず紙や印刷関連も指定している)で登録したことは驚きだ。”should’ve”自体は記述的とはまではいえないが、とても一般的で識別力がなく、出所表示として消費者に伝わらないんではないか。」とコメントしている。 なお、Specsaversの広告タグライン“Should’ve gone to Specsavrs”も商標登録されており、広く使用されているため、このことが”should’ve”自体の識別力獲得に繋がったということであろうか? Nora Fowler は、”should’ve”と類似するケースとして、ビール醸造会社カールスバークの”Probably”商標を挙げている。但し英国知財庁によって登録されたこの商標の権利範囲はビールとラガーのみである。 文字商標”should’ve”と”shouldve”は現在異議申立期間中であり、英国知財庁によると既に結構多くの異議申立が提出されているそうだ。
本文は こちら (Should the UK IPO have allowed the Specsavers’ ‘should’ve’ trademark?)