EUの一般裁判所(General Court)は、電話やアラームの標準的な呼出音やアラーム音はEUTM(欧州連合商標)として登録できないと判示した。
EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、音、色のみ、匂い、ホログラムのような非伝統的な商標の登録を認めてきたが、時としてその判断基準が幾分曖昧さがみられる。2014年にブラジルのメディア・グループ大手、Globo Comunicação e Participações社は、スマートフォンなどに電子情報を配信する分野で使用する電話やアラームの呼出音やアラーム音をEUに商標出願した。EUIPOは「当該音は平凡でどこでも聞かれるようなもので消費者に注目されないし記憶に残らない」として識別力がないことを理由に当該商標登録を拒絶した。Globo Comunicação e Participações社はこれを不服とし、審判請求したのち、一般裁判所に控訴したものの結果は変わらなかった。
では、どのような音商標は登録になるのだろうか。これに対する裁判所の判断は明快で、商標登録される音は、音符のように図式化できるものとしている。しかしながら同時に商標としての登録要件を満たす必要がある。つまり出所表示機能としての識別力が求められる。
登録された音商標には次のものがある;
- ノキアの電話呼出音
- 20世紀フォックスのファンファーレ
- マクドナルドのジングル “I’m loving it”
- 映画「ハンガーゲーム」の Rue’s 4-note whistle
- マッキントッシュのスタート・チャイム
- 映画「スター・ウォーズ」ダースベーダーの呼吸音
- アニメ「ザ・シンプソンズ」ホーマー・シンプソンのキャッチフレーズ
- MGM映画のライオンの吠える声
これらの音の商標登録には一貫性がなく、特定の国や地域のみで登録が認められ、その他の国・地域では登録を拒絶されたものもある。
本文は こちら (Phone ringtone “too banal” to be registrable as EU trademark)