韓国では最近、不正競争防止および営業秘密保護に関する法律(以下「不正競争防止法」)が一部改正されるにともない、今年7月18日から同法第2条第1号(リ)目(商品形態模倣行為、別名「デッドコピー」)に該当する場合にも行政庁の調査、是正勧告および刑事処罰が可能になった。
不正競争防止法第7条および第8条は、同法第2条第1号の不正競争行為に該当する場合、これを確認するために関係公務員が施設に出入りして調査することができ、さらに行政庁は行為の中止等の是正勧告をすることができると規定している。ところが、現行法では(リ)目が含まれていないため実効性の面で議論があったが、今回の改正により商品形態模倣行為に対しても関係公務員の出入り/調査および行政庁の是正勧告が可能となった。
また、同法第18条第3項第1号では不正競争行為に該当する場合3年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金に処すると規定しているところ、これまで(リ)目は同刑事処罰規定の適用対象からも除外されていたため制裁措置が十分でないとの指摘が提起され続けてきたが、今回の改正で(リ)目が追加され刑事処罰も可能になった。
参考に、同法第2条第1号(リ)目は韓国国内で広く知られているかを問わず、商品の形態を保護するために2004年に導入された規定で、他人が製作した商品の形態(注1)を模倣した商品を譲渡・貸渡しもしくはこのための展示をし、または輸入・輸出する行為を禁止している。ただし、①試作品製作など商品の形態が備えられた日から3年を過ぎた場合、および②同種の商品が通常有する形態を模倣した商品に対しては適用されない。
同改正法は公布日である2017年1月17日から6カ月後の同年7月18日から施行される予定である。今回の改正は商品形態模倣行為に対する法執行の実効性を高め、商品形態に関する権利保護をより一層強化する一助となることが期待される。
注1: 商品の形態とは、商品の形状・模様・色彩・光沢またはこれらを結合したものをいい、試作品または商品紹介書上の形態を含む。