2017-03-23

米国:カイリー vs カイリー:商標紛争は停戦? - Novagraaf

今年初めのオーストアリアのポップ・スター、カイリー・ミノーグとリアリティTV番組のパーソナリティとして知られている米国のカイリー・ジェンナーの商標紛争に関するニュースを覚えているかもしれない。1996年にカイリー・ミノーグは、米国で「KYLIE」商標のいくつかのパターンを商標登録した。20年近く経った2015年、カイリー・ジェンナーは米国で彼女の名前を商標登録しようとした。それに対して、カイリー・ミノーグは異議を申立て、決着したようだ。
商標の類否
商標が混同するほど類似しているかどうかは、商標の外観、称呼、観念の類似性と商標がもたらす全体的な印象に基づいて行われ、とりわけその要部の構成要素について考慮される。同時に商品・役務の類似性も審査される。商標と商品・役務の両方が類似している場合、当該商品・役務に関係する公衆が商標を混同する虞が高い。先登録した商標の所有者は、後願の商標の使用または登録に対して異議を申立てることができる。
異議申立て
2016年2月、イリー・ミノーグは、登録商標「KYLIE」を根拠に、カイリー・ジェンナーが出願した「KYLIE」商標に異議を申立てた。カイリー・ミノーグの商標は、香水、化粧品、衣類、おもちゃなどの商品を指定して商標登録されており、カイリー・ジェンナーは、広告宣伝やコマーシャル関連サービスを指定して「KYLIE」商標を出願した。カイリー・ミノーグは、両商標間に混同の虞があると主張していた。
カイリー・ミノーグの異議申立によれば、カイリー・ミノーグは音楽家、慈善家、乳がんの啓蒙活動家として国際的に有名であり、一方、カイリー・ジェンナーは、リアリティTV番組のパーソナリティとしては二流だとしばしば批判されていたため、混同の虞の他に、カイリー・ジェンナーによる「KYLIE」商標の登録は、カイリー・ミノーグの評判にダメージを与えると主張した。
これにて決着?
2016年、カイリーvsカイリーの審理は和解交渉のために2回中断された。カイリー・ミノーグは2017年1月19日最終的に異議を取り下げ、両当事者が和解に達したことを示唆した。いずれの当事者も、和解の内容について何もコメントしていないため、和議の内容は不明だが、カイリー・ミノーグが商標の権利行使に積極的であることは明らかだ。
本文は こちら (Kylie and Kylie: trademark ceasefire?)