2017-03-12

知財契約をちゃんと整理していますか? - Novagraaf

契約はビジネス活動の重要な一部である。それには、秘密保持契約、ライセンス契約、合併または企業買収、販売または投資の引き上げや職務発明報償契約などという知的財産権に関する契約も同様である。これらは企業の知財ポートフォリオに関わるものだ。以下に、一般的な知的財産に関する契約を取り上げ、効果的な契約管理の重要性を説明する。

企業が知的財産権に関する契約を管理することは不可欠であり、所有する知的財産を売却またはライセンス供与するつもりがない場合でも、製造元との機密保持契約や雇用契約に付随する知財権の帰属や盗難防止条項など知的財産に関連する規約は存在するのではないか。企業は、盗難や偶発的な失効から貴重な知的財産権を適切に保護し、知財ポートフォリオの価値を高めるために、これらの契約の範囲を理解し、定期的に見直す必要がある。ここでは、ビジネスが進化し成長するにつれてビジネスで必要となる幾つかの決まったタイプの契約について整理する。

第三者へ権利を譲渡する、または第三者から権利を取得する

契約タイプ:所有権の移転または譲渡

このタイプの契約により、権利者は知的財産権の所有権の一部または全部を第三者に譲渡することができる。この契約なしに新しい所有者はその権利を利用できない。

第三者に知的財産権を利用する権限を与える

契約タイプ:ライセンス契約

ライセンス契約はビジネスで最も戦略的な契約の1つであろう。ライセンスとは、知的財産権の所有者が第三者にその権利を利用することを許可することである。ただし、譲渡契約ではない。所有者は、知的財産権の所有権を第三者に譲渡するかわりに、その知的財産権を実施する権利をライセンシーに与えることができる。ライセンスには、唯一(sole)のライセンスや排他的(exclusive)、非排他的(non-exclusive)、部分的(partial)、完全(full)、継続的(indefinite term)、期限付き(fixed term)、価格維持(fixed price)、ロイヤリティ有り、ロイヤリティ無し、など様々な条件の契約がある。

複数で創出した共同所有権を管理する

契約タイプ:共同または共同所有契約

このタイプの契約は、共同知財プロジェクトに参加する当事者によって、その知財の共同所有者すべての権利と義務を明記する。

競合する商標の所有者と条件を決める

契約タイプ:商標併存契約

このタイプの契約は、利益の相反する商標を持つブランド・オーナー間で商標併存の条件を規定する。

知的財産権を担保に資金調達や債務保証をする

契約タイプ:担保の譲渡/担保の知財権請求

このタイプの契約は、債務者が借りた金額を返済するか契約で設定された知財権の放棄を債権者に保証する。

製造工程、製造処方、営業秘密、特許で保護されないイノベーションなどの知財ノウハウを知的財産権同様に保護する

契約タイプ:ライセンス契約/製造契約/秘密保持契約

ライセンス契約により、知財保有者は第三者にノウハウをライセンスすることができる。 一般的には、製造業者と販売業者で締結される製造契約や機密保持契約の一部となることがある。それは、重要な技術情報を提供することで第三者にノウハウを利用させることを担保するためのものである。しかしながら、ノウハウの保有者は、ライセンスの対象となる専門知識に関するすべての所有権を保持し、雇用契約では、すべての機密情報とノウハウが企業の財産であることを明確にすることも重要である。

契約管理

定義され合意された契約条件を締結することは、プロセスの最初の部分にすぎないが、契約条件を確実にモニターして、ロイヤリティが支払われているかと義務が履行されているかを確認すると共に、企業にはそれらの契約を体系化し、管理し、検索するためのシステムも必要であり、また効果的な契約管理システムが重要となる。一般的に知財ポートフォリオ同様、契約も検索可能なデータベースでその権利を適切に記録すれば、保護された知的財産権と失ったものとの間で大きな差が生まれる可能性がある。

本文は こちら (Are your IP contracts in order?)