商標の類似性は、混同の虞にとって重要な前提条件である。商標を評価するときは、商標の構成は非常に重要で、類似する要素が商標の先頭部に置かれているか(消費者は商標の先頭部により注意を払う傾向がある)?最後尾に類似性があるのか?類似性が商標の要部にあるのか?
商標が2つの単語で構成されている場合、双方の商標に類似する単語が存在しても、自動的に双方の商標が類似するとの結論になるわけではない。例えば、「GIRL PINK」商標と「PINK SENSE」商標は非類似である。
最近、EUIPO(欧州知的財産庁)において、出願された「ロシアン・ダイヤモンド(Russian diamond)」商標に対して、「ブラック・ダイヤモンド(Black diamond)」商標に類似するとして異議申立てが行われた。「ブラック・ダイヤモンド」商標はSunflorが所有し、プラムに使用されている。「ロシアン・ダイヤモンド」商標もまたプラムを指定して出願された。さて、これらの商標は類似するといえるだろうか?EUIPOの判断は、商標の先頭部はより注意を引くが、今回の両商標の要部は「ダイヤモンド」であり、両商標で完全同一であるため、両商標に類似性がある、というもので、Sunflorの異議申立てを認めた。