2017-04-03

香港、カナダのマドリッドへの道 - Marks and Clerk

香港特別行政区政府は、2014年末に国際商標登録制度であるマドリッド協定議定書を採択する計画を進めていると発表した。一方、カナダ知的財産庁(CIPO)は、カナダの出願人がマドリッド・システムを利用できるようにするための草案を最終調整している。

 マドリッド協定議定書は、早ければ2019年に香港で利用可能になると予想されている。ただし、システムの一部を変更する必要がある。それは香港が中華人民共和国の行政区であり、主権国家または適格な政府組織ではないため、今のままではマドリッド協定の契約当事者となることができないからだ。香港は本国官庁としての北京を経由することなく、国際事務局と直接話し合うよう提案されている。コミュニケーションと商標出願書類の言語は英語なので、基礎出願が中国語の場合は、それを英語に翻訳する必要がある。中国(中国本土および香港特別行政区)以外の加盟国を基礎とした国際登録出願は、香港特別行政区および/または中国本土を指定することができる。香港特別行政区を基礎とした国際登録出願は中国本土を指定することができないし、中国本土を基礎とした国際登録出願は、香港特別行政区を指定することはできない。そのため、香港特別行政区政府は中国本土との間で相互商標出願制度を求めているが、この取り決めはまだ合意されておらず、議論は遅々として進んでいない。

カナダは、1997年にマドリッド・システムへの参加を検討し始めた。その後ほとんど進捗がなく、2014年にCIPOが商標制度改正を議会に求めたことは多くの人を驚かせた。商標登録には商標の使用が必要という制度は、商標法が改正され、関連する公式手続が効力を発揮すれば、ほどなく終了する予定で、この商標法改正は2019年初頭に予定されている。CIPOは、カナダの最大の貿易相手国である米国の両国は、コモン・ロー・ベースの商標法を持つ共通の市場を共有しているが、今後両国の法律と実務は異なるものになると予想される。 カナダではマドリッド・システムを利用した国際登録出願を可能にする必要性については広く受け入れられていたが、CIPOがこれを選択した方法は、商標の検索、クリアランス、権利行使をより複雑にすることであろうと多くの人によって批判されてもきた。まもなくパブリックコメント用に改正案が公開される予定だ。

本文は こちら (Canada, Hong Kong and Madrid)