2017-05-22

トランプ・ファミリーのブランドはトランプ大統領の恩恵を受けているか? - Marks & Clerk

ドナルド・トランプはビジネスマンとして多くの成功を収め、ホスピタリティ、高級品、不動産に至るファミリーブランドを開発してきた。このような背景を持った最初の米国大統領である。ドナルド・トランプが大統領になる前からトランプ・オーガナイゼーションは米国で100を超える登録商標を所有しており、その殆どは「TRUMP GOLF LINKS」や「TRUMP HOTEL COLLECTION」など「TRUMP」を要部にしている。これらの商標は、ゴルフ場からギャンブル、不動産サービス、小売サービスまで、幅広い商品やサービスに関連して登録されている。

トランプのブランド保護は、彼が大統領選挙に名乗りを上げたときに方向を変えた。2015年8月に大統領選挙キャンペーンに関連した様々な商品とサービスを指定して「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」を米国特許商標庁(USPTO)に商標出願してからだ。トランプは同じ商標を、政治活動と資金調達といったサービスを指定して2012年に商標登録していた。2015年5月にトランプは1つの商標を政治と政治資金調達に関するものに、もう1つの商標をゴルフに関するサービスという別々の「TRUMP」商標の出願を考えていたのだろう。トランプは個人的な事業から退いたが、DTTM Corporation LLC(トランプの企業)はそれ以来、米国で「TRUMP」という文字に関係のない新たな商標を出願している。

トランプは大統領に選出されたのち、2020年の次期大統領選挙をすでに考えており、キャンペーン商品や政治活動のための様々なサービスの区分で、再選スローガンになるであろう「KEEP AMERICA GREAT」を商標出願した。

ドナルド・トランプの幅広い家族構成もビジネス界ではよく知られており、トランプ・ファミリーは引き続き自身のブランドを徹底的に保護しようとしているようだ。ファースト・レディーのメラニア・トランプは最近、デイリー・メールの名誉毀損問題に決着をつけた。名誉毀損の主張は、以前のモデルとしてのキャリアに関して新聞が公表した中傷的な記事に続いて、メラニア「ブランド」とそれに派生するビジネス機会に対する損害に言及したものであり、メラニアはファースト・レディーとして世界で最も撮影された女性の一人であることで恩恵を受ける期間中に彼女の評判が損なわれたと主張した。

一方、「ファースト・ドーター(娘)」イヴァンカ・トランプは最近、3件の商標が中国で暫定的に登録されたと報じられた。イヴァンカ・トランプは成功した実業家であり、世界各地にいくつかの商標登録を行っている。これらの商標の大部分は、イヴァンカ・トランプ「IVANKA TRUMP(イヴァンカ・トランプ)」に関連したものであり、ほとんどが衣類、ファッション・アクセサリー、小売業等に登録されている。イヴァンカがホワイトハウスでの役割を理由に事業から退いたにもかかわらず、Ivanka Trump Marks LLCがフィリピンとカナダで商標出願して以来、ファッション事業は拡大し続けているようだ。

 将来的に、トランプ・ファミリー・ブランドの全体的な保護戦略がどのように発展していくのかは興味深い。一部のメンバーは政治に、他のメンバーはビジネスに集中して取り組むことになるのであろうが…。

本文は こちら (Is the Trump family brand capitalising on Donald Trump’s presidency?)