長年にわたって商標出願業務に携わってきたが、時として面白い商標出願を目にすることがある。今回のウィーン公共交通会社の商標出願も間違いなくその1つに数えられる。これはウィーンの地下鉄路線図に関するものだ。
地下鉄路線図はデザインの一種で、非常に分かりやすく路線ネットワークと停車駅を示している。これら路線図の多くは、ロンドンのメトロ・マップをモデルにしているとされる。
なぜウィーン公共交通会社は、この路線図を権利化したいと考えたのだろうか? よくあるのは、商標出願の動機が保護目的であり、例えば第三者が路線図を商品化して使用することを防ぐためであったりする。
この種の標識の大きな問題は、これが商標とみなすことができるかどうかであろう。最近EUIPO(欧州連合知的財産庁)はこの商標の登録を拒絶した。 拒絶理由は明らかになっていないが、おそらくEUIPOはこの標識は商標として機能しないと考えたのであろう。