2017-07-06

インド:建築物の商標を初めて登録 - R.K.DEWAN & Co.

ある種の建築作品は、ある国のアイデンティティの源泉となりえる。アメリカの自由の女神、フランスのエッフェル塔、インドのタージ・マハルなどだ。これらの建物は商標として保護を受けられる。過去には、エッフェル塔、エンパイアステートビル、シドニーのオペラハウス、北京のナショナルスタジアム、ドバイのブルジュ・ハリファなどが過去に商標として登録されている。

インドで初めて商標登録を獲得した建物は、ムンバイのタージパレスホテル(Taj Palace Hotel、登録番号3386351)である。この建物はムンバイ市と深い関りがあるランドマーク的なホテルである。商標としてこの建物を登録することで、権利者であるインド・ホテルズ・カンパニー(THE INDIAN HOTELS COMPANY LIMITED)には、この建物イメージを使用する独占権が生まれる。つまり、建物イメージをどのように使用するかに関わらず、権利者から事前に使用許可を得る必要がある。この商標登録は、インド政府がタージ・マハル、赤い城(Red Fort)、クトゥブ・ミナール(Qutub Minar)、インド門(Gateway of India, ムンバイ)、インド門(India Gate、デリー)など、他の象徴的な建物イメージの商標登録をインド政府に求める扉を開くことになるかもしれない。これは中央政府にとっては、第三者による建物の使用からロヤリティを得ることができると同時に、建物の使用に関して政府が規制することを可能にさせるものとも言える。米アップル社は、USPTO(米国特許商標庁)から店舗レイアウトの商標(登録番号4277914)を獲得するのに成功したが、この商標登録は、アップル社の店舗を想起させるような店舗レイアウトを競合店が展開することを防ぐためのものだ。

建築家は、彼らがデザインした建物に対して著作権保護を求めることもできる。1957年の著作権法は、建築物の構造と構成、そして空間配置を保護している。建物を保護するためにさらに多くの商標が登録されるかどうか興味深い。

本文は こちら (Architectural Trade Marks)