2017-08-23

韓国:特許庁、立体商標の識別力判断基準を緩和 - Kim & Chang

韓国特許庁は、2017年4月25日、立体商標の識別力の判断に関して新たな商標審査基準を発表し、これを直ちに審査に適用すると明らかにした。
従来の審査基準は指定商品または包装の一般的な形状ではない立体的形状から構成された商標に対しても使用による識別力を取得した場合に限り識別力を認める問題があった。すなわち、同じ形状の標章を平面図形商標として出願時には識別力を認めていながら、指定商品と関連がない独特の立体的形状に対してまで立体商標という理由だけで識別力を否定することは果たして妥当であるのかという意見が出ていた。

これに対し改正審査基準では「立体的形状が指定商品(包装、容器を含む)の形状を表示するものと認識されず、一般的にありふれておらず、非常に特異な形状である場合には識別力があると見る」という趣旨の規定を新設した。
その他に、識別力がない立体的形状に識別力がある記号・文字・図形などが結びついて全体的に識別力が認められる場合には識別力があると見ており、識別力がない立体的形状が使用による識別力を取得した場合でも識別力が認められるという部分は従来と同じである。

参考までに、新たな審査基準により識別力が認められることができる事例と依然として識別力が認められない事例は下記の通り。

<識別力が認められる例>
標章:「ライオンの形の立体的形状」
指定商品:「自動車」

<識別力が認められない例>
標章:「星の形の容器(瓶)からなる立体的形状 」
指定商品:「ワイン(wine)」

このような新たな基準により指定商品と関係がない形状の立体商標に対しては識別力認定基準を従来よりは緩和して審査するものと予想されるので、従来、指定商品と関連のない立体商標であるのに識別力が認められなかった立体商標があれば、再出願して審査を受けてみる価値があると思われる。
(弁理士 李瓊宣)