イタリアのボローニャで設立されたマセラッティ(Maserati)は、美しいスポーツカーのメーカーとして有名である。自動車のほかにも、衣服、帽子などはマセラティ愛好家に人気がある。
マセラティのロゴは三叉の銛(もり)で構成されている。この三叉の銛は商標として登録されている(マセラッティの文字がない)。つまり、三叉の銛のみが保護され、マセラティという言葉は類似性に影響を与えないという、今となっては賢い選択であったと言えよう。
今回出願された三叉の銛に対する異議申立てを見ると、マセラッティ商標の有効性が分かる。2つのロゴには、幾つかの外観的な相違がみられるが、観念的且つ外観的な類似性によって全体的に類似した印象をもたらしている。EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、商標を比較する機会が少ない消費者にとっては混同の虞が生じると考えた。
興味深いことに、両商標が併存できるという被申立人の主張は採用されなかった。被申立人の以前の商標は、現在出願されているロゴとは異なり、「Macson」という文字が入っている。結果として、EUIPOはこの併存できるという主張を退けた。
本文は こちら (Three-piece in one piece)