このたび韓国税関が発刊した『知的財産権侵害取締 年間報告書』(下記リンク参照)によると、2016年の知的財産権侵害物品の摘発件数は計9,853件であり、このうち約90%が中国から輸入されていることがわかった。権利類型別にみると商標権侵害件数が全体の95.6％と圧倒的に多く、次いで著作権、特許権などその他の権利の順となっている。
侵害物品の品目は重量基準で玩具・文具類が24.8％と最も多く、衣類・織物(14.5%)、かばん類(11.9%)がそれに次いでいる。また侵害物品の通関形態としては件数基準で郵便物および国際宅配貨物が97％と大部分で、これは個人消費者による海外からの直接購入が活発になることにより、少量で侵害物品が輸入される形態が増加したためであると把握される。
水際措置が効果的になされるためには、知的財産権情報を申告する税関申告制度を積極的に利用することはもちろん、税関に必要情報を提供するなど、取締が円滑になされるよう権利者がより主体的に関与していくことが望ましい。