ちょっと服ブランドのRABE(raven:カラス)を持っていると想像してみてほしい。また、関連してカラスを表したロゴ(左下図)も持っているとしよう。ある時、誰かが衣服を指定してカラスのロゴ(右下図)を商標出願したことを知ったとする。登録した文字商標「RABE:カラス」に基づいて、この出願されたロゴに異議を申立てることができるだろうか?
実際には2つの問題がある:①「RABE」という文字が出願されたカラス(RAVEN)のロゴに似ているか、②ロゴ自体が似ているか
商標間の類似性は、外観、称呼および観念から判断する必要がある。実際EUIPOは、これらの3つの点で商標を評価してきた。この文字商標とロゴを比較したとき、EUIPOの判断は明確である:両商標に外観と称呼の類似性は全くないが、観念は同じもので、どちらもカラスとして理解できる。しかし、しばしば観念だけで類似とするには不十分である(先商標の拡張された識別力のような追加の状況がない限り)。今回の場合、多くの視覚的相違が商標間に十分な距離を生み出しており、混同が生じることはない。
カラスのロゴについては、EUIPOも同じ結論に達した。ロゴは大きく異なっているため、混同は認められないというものであった。