2017-11-17

EU:商標の著名性と類似範囲 - Knijff Trademark Attorneys

世界的ブランドに対して、誰かがまったく同じフォントで似たような文字のブランドを作ったとしよう。指定商品は異なるものの、評判の良い商標にただ乗りしているわけだから、より広い保護範囲を受けられるはずで、異議をかければ確実に勝てるって思うだろうが、現実はそうでもない。

商標「PUCAM」は、電話および関連製品を指定して欧州連合(EU)に出願された。ドイツを本拠地とするスポーツ用品の多国籍企業である「PUMA(プーマ)」は、有名ブランドにただ乗りして混同を生じさせているとして、この出願に対して異議を申し立てた。よく知られたブランドの名前やロゴを真似て、「PUCAM」の出願人は「PUMA」の評判を利用しようとしているというわけだ。

この申立てを審理したEUIPO(欧州連合知的財産庁)に、プーマはブランド「PUMA」がいかに良く知られているかということを十分に示したが、一方判例法は商標間と指定商品間にある程度の類似性や重なりが必要であると規定している。そして、このことで異議が困難なものになった。EUIPOは、文字の類似度はあまり高いとは言えず、指定商品は類似しないとして、消費者が両ブランドに関連があると考えるおそれは低いと結論づけた。

この決定について著名ブランドのオーナーに説明するのは難しい。我々商標弁理士は、有名なブランドと明白な類似性があれば、よく知られているブランドの保護は広くなくてはならないという立場である。この査定に対して上訴されればよいと思うのだが…

本文は こちら (A caged cat)