最近、韓国特許庁は、「㈱イグニス」が先に発売した食事代用食「ラブノッシュ」製品と容器の形態とラベルの形状、色彩などが全体的に類似の「㈱オンマサラン」の「食事にひと目ぼれ」製品に対し、「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律」(以下、「不正競争防止法」)で定める「商品形態模倣行為」に該当するという理由で、製品の生産・販売を中止せよとの是正勧告を行った。また、同商品を販売していた流通大手であるホームプラスに対しても販売中止の是正勧告がされた。
不正競争防止法第2条第1号リ目は、日本と類似のデッドコピー禁止規定をおいて「①商品の形態が備えられた日から3年が過ぎておらず、②同種商品が通常有する形態ではない他人が製作した商品の形態(形状・模様・色彩・光沢またはこれらを結合したものを意味し、試作品または商品カタログ上の形態を含む)を模倣した商品を譲渡・貸渡しまたはこのための展示をしたり輸入・輸出する行為」を不正競争行為中の一つである「商品形態模倣行為」と定めている。
ただし、従前はこのような「商品形態模倣行為」には民事的救済しか認められなかったため、訴訟費用を負担するのが困難な中小・ベンチャー企業(スタートアップ)としては対応が難しかったが、2017年7月18日から施行されている改正不正競争防止法は「商品形態模倣行為」について行政庁の調査、是正勧告はもちろん、刑事処罰の対象に含め、これに違反した者は3年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金に処するようにした。従って、今回の特許庁の生産・販売中止勧告措置は改正不正競争防止法を適用した最初の事例として注目されている。
特許庁は30日以内に上記勧告が受け入れられなければ、警察や検察など捜査機関に告発する予定であるとし、今後も「商品形態模倣行為」に関する取り締まりと調査を強化する一方、専従人員を拡充し、2018年1月からは商品形態模倣行為申告センターを運営して活発な申告を促す計画であるとした。このため、今後デッドコピーに対しては韓国特許庁を通じた行政措置も有効な対策の一つとして考慮する必要がある。