インドでは、特に食品や飲み物のような製品に関して、トレードドレスやラベルの配色が重要な役割を果たしている。最近争われたタタ・グループ対Mayuri飲料のケースを見てみよう。
タタ・グループは、「タタ・ウォーター・プラス(Tata Water Plus)」の商標で、オレンジ色の背景に白抜きで「タタ・ウォーター(Tata Water)」という文字と、青色の背景に白抜きで「プラス(PLUS)」という文字を使った独特の配色で水を販売している。Mayuri飲料は、「Taza Water Plus」という商標を付したウォーターポーチを発売した。ヒンディー語で新鮮という意味を持つ単語「Taza」を使っている。通常「Taza」という文字は、「Tata」という文字と類似するとはみなされないが、今回の場合、「Taza」の下に「WATER PLUS」という文字がタタ・ウォーター・プラスと同様の配色で、同じ水という消費財に使われていた。そのため、暫定的差止命令を求めて裁判所に提訴された。
インドでは、標章が英語である場合、または大多数の人が理解できない英語のフォントを使用している場合、標章の配色、配置、表記の仕方は、欺瞞的な類似性を判断するための重要な基準となる。一般的な消費者は、標章や配色などの全体的な印象に基づいて消費財を購入する傾向があると理解されている。したがって、他の権利者が商標の配色や全体的な印象を模倣するのを防ぐことは大事なことだ。