イングランド北部バーンリーにあるナイトクラブは、有名なファッション誌「Vogue(ヴォーグ)」の英語版を制作するアドバンス・パブリケーションズ社による商標侵害訴訟の警告を受け、ナイトクラブの名前を変更することを余儀なくされた。ナイトクラブは2002年に設立されたもので、クラブ・オーナーは2018年1月9日までにクラブ名を変更し、SNS上で「Vogue」という名前の使用を中止した。
クラブ側は、ヴォーグの出版社による今回の行動に疑問を呈し、「ケイト・モス(英国のファッションモデル)が今週ヴォーグ・バーンリーにいるかどうか考える人はいないだろう。誰もがクラブは雑誌と関係ないことを知っている。これはビッグビジネスの弱い者いじめだ」と、地元のラジオ局2BRに語った。しかし、BBCによると、この雑誌はまもなく自社のクラブ・ナイツ(cub nights)を始める予定があるため、クラブ側に名前を変更するよう迫ったとしている。
名称の変更はコストがかかる。例えば、ファサード(建築物の正面部分)を修正し、新しい広告キャンペーンを作り、従業員の制服を変更する必要が生じるかもしれないし、クラブのSNSアカウントも変更しなければならない。
この問題は避けることができたのだろうか?
商標弁護士は、こうした法的措置の警告に対して、高価でしばしば不必要な再ブランド化余儀なくされた企業の事例を日常的に目にしている。そのため、業種や規模に関わらず常にブランド・オーナーに、新しいブランドの発表前に商標の使用可能性の検索を行うようアドバイスしている。
このような例は、決して稀なものではなく、最近、ヨークシャーにある「ザ・リッツ」という名前の音楽会場は、ロンドンにある有名なホテル・オーナーからの訴訟に直面した。この会場は80年にわたりこの名前で運営されていたが、SNS上でその存在をロンドン・リッツに知られたようだ。