2018-01-29

EU:Marlborrowed(マールボロからの借り物) - Knijff Trademark Attorneys

ロゴのリブランディングで、ドイツのGREグランド・リバー・エンタープライズ社は、少しマールボロに影響を受けすぎたようだ。マールボロ・パッケージの上部は三角形をかたどったものだが、「MARK 1」のロゴは、色と形からマールボロを想起させる。

このロゴの欧州出願に対して、フィリップ・モリスは異議を申立てた。マールボロのパッケージやロゴに関する様々な登録商標があり、フィリップ・モリスは、すでに「Mark 10」を商標登録していた。EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、「MARK 1」と「MARK 10」は類似すると結論付けた。なぜなら、図形要素は全体的な印象に殆ど影響しないので、混同の虞が生じるというものだ。

興味深いのは、EUIPOへのGREの応答である。GREは、標章に対するロイヤリティによって、平均的な消費者は混同を生じないという主張を支持する一般裁判所の判断(Turkish Powerに関する事件「T-34/04(EU:T:2005:248)」2005年6月22日判決)を持ち出した。しかしながら、「Turkish Power」のケースは、文字と図形の組み合わせであって、今回のような数字との組み合わせではなかった。当時の一般裁判所は、図形要素が文字要素によって影が薄くなると判断した。つまり、「POWER」という文字要素によって、称呼、外観、観念共にとても異なる標章としてみられるというもので、今回のケースに当てはまるものではなかった。ゆえに今回のケースで出願人の主張が考慮されることはない。

本文は こちら (Marlborrowed)