商標として登録されるには、商標が相対的に登録可能で、かつ識別力がなければならない。商標の記述性が明白である場合もあれば、明示的でない場合もある。商標が造語で構成される場合は、識別力があるという印象を与えやすくなるだろう。しかし、商標が新しい単語であるという主張だけでは商標が登録される理由として十分ではない。全体としての識別力が求められているからだ。
例えば、米アップル社の「LIVE PHOTOS」の商標出願で、米アップル社はこの文字が造語であると主張した。この機能を利用すると、iPhoneで写真を何枚か撮ると、短いビデオを作成できる。しかし、EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、商標が「PHOTOS(写真)」という普通名称と(写真に関係するといえる)形容詞「LIVE」で構成されているとして、商標の登録を拒絶した。
米アップル社はこの拒絶査定を不服として審判請求したが、うまくいかなかった。審判部は、「LIVE PHOTOS」がアニメーション写真に関するものであることが直観できるとした。米アップル社は当該商標が使用により識別力を獲得したとも主張したが、EUIPOは、提出された証拠から識別力を獲得したことを証明するものはないと判じた。