先日、北京市高級人民法院は、「卡斯特拉斐 CASTEL LAFITE」商標(辛集市福泰皮業有限公司が2013年1月14日に登録を出願し、指定商品は第25類被服など)無効審判事件について終審判決を下し、フランスのシャトー・ラフィット・ロートシルトが第33類酒類商品に先行登録していた「LAFITE」商標は、確かに公衆に熟知されており、すでに著名商標になっていると認定し、係争商標「卡斯特拉斐 CASTEL LAFITE」は先行登録されている著名商標「LAFITE」を完全に含んでおり、かつ含まれている中国語「拉斐」は「LAFITE」が常用している翻訳形式の一つであることから、係争商標は引用著名商標に対する複製、模倣または翻訳を構成するものであり、引用商標とその指定商品との間の固定的な関係を破壊し、「LAFITE」商標の顕著性を弱め、シャトー・ラフィット・ロートシルトの利益が損なわれる可能性があることから、北京市高級人民法院は一審判決と商標評審委員会の決定を取り消し、また商標評審委員会に改めて決定させる判決を下した。
典型的意義:
この事件は「希釈化」理論を適用して著名商標を保護した典型的判例である。理非曲直を論ずる部分において、法院は、係争商標を被服商品上に使用することは、関連大衆に引用商標を連想させ、かつ係争商標を使用した商品はシャトー・ラフィット・ロートシルトが提供しまたはその商品との間に特定の関係があるものではないと認識することになると指摘した。つまり、法院はこのときに誤認・混同の可能性はないと判断している。しかし、このような状況の存在は、引用商標の顕著性が希釈化され、引用商標とその権利者の間の固定関係が壊されることから、依然として引用商標の権利者の利益を損なうことになる。
2016年以来、商標評審委員会と北京知識産権法院では、すでに十数件の決定または行政判決において、相次いで「LAFITE」を著名商標と認定しているが、多くはまだ行政訴訟手続き中である。この事件は初の終審判決で、「LAFITE」の中国における著名商標保護の道に対し、一里塚的な重要な意義を持つものである。