インド最大のコングロマリットであるリライアンス・インダストリーズの新しいブランド「Jio:第4世代(4G)通信サービス」は、その独創的なマーケティング戦略でインドにおいて幅広い人気を得ており、サービス開始2年で多くのユーザーの獲得に成功した。商標「Joi」は、インドとインド以外の国々にも登録されているが、最近、欧州連合に登録された商標「JIO」に対して、商標「Joi」を持つLKN Communications Inc.が、商標「Jio」に対して無効手続を行った。
商標「JOI」は9類に登録され、商標「Jio」は38類に登録されたが、LKN Communicationsは、商標は同区分間に関連があり、「JOI」と「Jio」という商標が類似しており混同が生じる虞があると主張した。Jioの代理人は、通信会社はいかなる商品も売っていないので、称呼的にも外観的に見ても混同は生じないと主張した。
EUIPOの取消部は、「JOI」という文字が「JOY」という文字のスペルミスであるとみなされる可能性がある一方で、「Jio」の場合は想起しないし、商標間には観念的にも称呼的にも類似性がないとの判断を示し、さらにLKNコミュニケーションズから、「JOI」の識別力について著名性の主張はなく問題の商標は混同するほど類似するとは言えないと判じ、LKN Communicationsに対して訴訟費用の450ユーロを負担するよう命じた。リライアンスのEUTM出願はR.K.DEWAN & Co.を通して行われた。
2018-03-22