商標弁理士にとって、優れた商標とは、十分な識別力を持つ魅力的な文字やロゴである。しかし、これらの条件が満たされたとしても、すべての文字や標識が良い商標として認定されるわけではない。国の文化に関係のある文字や標識は、商標の対象ではなく商業的に自由でなければならない。少なくとも、それは一般的な考え方として語られている。この考え方は決定的なものではないが、この一般的な考え方に耳を傾けた方がいいケースもある。
最近の典型的な例は、サッカーのヨーロッパ選手権で有名になったアイスランドの「HÚ」という叫びだ。アイスランドのサポーターはこの叫び声を繰り返し大声で唱え、大きな印象を与えた。あるアイスランド出身の人物は、アイスランドの衣料品の商標として「HÚH」を登録した。あるアーティストが「HÚ」という文字を付したTシャツを市場に持ち込んだとき、「HÚH」商標の所有者は、このTシャツに異議を唱えた。その結果、大衆の怒りを買うことになった。なぜ、文化的になったともいえるこの言葉をブランドとして商標登録できたのだろうか?
この種の検討を行うのは商標代理人に任されるわけではないが、もし商標が登録要件を満たしている場合は、それを受け入れる必要がある。商標出願が賢明かどうかを決めるのは出願人の責任である。ネガティブキャンペーンが起こり、最終的に誰もそんなブランドの購入望まないなんてことが起こるかもしれない。今回の場合、「HÚH」商標を保有者は結局後悔することになった。
Source: Trademark Lawyer Magazine