2018-04-24

中国:漢都会社がオリンパスを商標専用権侵害で提訴 - CCPIT

原告:徐州漢都実業発展有限会社(以下漢都会社と略す)
被告:(日本)オリンパス光学工業株式会社(以下オリンパス株式会社と略す)

案件内容:漢都会社は北京市高級人民法院に対し、以下の内容について訴訟を提起した。1996年漢都会社は“千禧龙”を創作し、その後国家工商行政管理局商標局にて第9類カメラ類などの商品に使用する“千禧龙QIANXILONG”という文字商標の登録を出願した。被告オリンパス株式会社は原告の許諾を得ず、生産しているOLYMPUS WIDE 80型カメラ機の機体と包装箱、信用カードなど目立つところに原告“千禧龙QIANXILONG”商標と同様の“千禧龍”文字を使用し、且つ全国各大都市にて販売したことは原告“千禧龙QIANXILONG”商標専用権を侵害する行為であり、原告側に多大な経済損失と商標の名誉損失をもたらした。従って、法院に被告側の侵害行為の差し止め、販売済みの侵害カメラの回収と商標標識の廃棄、原告への謝罪、原告に経済損失として人民元200万元の賠償と信用損害として人民元300万元の賠償を命じるよう請求する。

 オリンパス株式会社の答弁:1.オリンパスカメラ製品とその商標は、中国マーケットにおいて消費者に広く知られ、原告が訴えている“千禧龍”文字がついている商品に被告ははっきり“奥林巴斯(OLYMPUS)”商標を付けている。被告は“千禧龍”を該商品の商標として使っていない。2.ミレ二アムと“龍年”は同じ年であることとこれにより生じる記念と慶びの意義は公衆承知の客観事実である。被告は“奥林巴斯(OLYMPUS)”商標がついているWIDE80型カメラ機に“千禧龍”と龍の図案を刷ったのはこの記念と慶びを表すためであり、商品の商標ではないので、消費者に誤認混同を与える可能性がない。3.中国商標法と商標法実施細則に定めている登録商標専用権侵害の侵害特徴と侵害結果がないため、原告の商標専用権侵害と言えない。

 法院の審理内容:漢都会社は国家工商行政管理局商標局に“千禧龙QIANXILONG”文字商標を登録出願し、該商標の使用商品は第9、11、12、23、24類に定めている。漢都会社はこの商標を頻繁に宣伝広告し、但し、この商標がついているカメラを生産していない。漢都会社は2000年4月、5月と6月それぞれ江蘇省と北京市にて奥林巴斯WIDE80型カメラを各一台購入した。該カメラの正面左角の方に“千禧龍”の文字と龍の図案が印刷されていた。該カメラの包装箱にも同じ文字と図案が印刷され、商品品質保証書にも“千禧龍”の文字が印刷されていた。漢都会社はこの“千禧龙QIANXILONG”商標を宣伝するために大量の人力と財力を注ぎ込んだことを法院に証拠を提出した。その前に全国沢山の法律事務所を通じ、該カメラの販売数を調査したが、結局販売数は判明できなかった。奥林巴斯株式会社は漢都会社の許諾を得ず、生産しているWIDE80型カメラに“千禧龙QIANXILONG”と同様の文字を修飾として使用し、確かに奥林巴斯WIDE80型カメラが使っている“龍”という文字は繁体字ではあるが、同じ文字であることに違いがないので、消費者の誤認混同を生じ、漢都会社登録商標専用権への侵害行為であり、賠償責任を負わなければならない。但し、漢都会社が要求している賠償金額を法院は全部認めない。

北京市高級人民法院が以下のように一審判決を下した:
一、(日本)奥林巴斯光学工業株式会社は直ちに侵害行為を停止するよう命じる。
二、(日本)奥林巴斯光学工業株式会社は本判決が発効してから30日以内、《人民日報》を通じ漢都会社に謝罪をする。
三、(日本)奥林巴斯光学工業株式会社は漢都会社に対し経済損害賠償額人民元25万元を支払う。
四、漢都会社のその他の訴訟要求を却下する。

案件受理費35,011元は漢都会社と奥林巴斯光学工業株式会社それぞれ28,750元と6,260元を負担する。法院は判決を下した後、双方当事者は法定期限内に上訴しなかったため、この一審判決はすでに効力を生じている。