国家知識産権局(SIPO)は4月24日、『中国知財権保護状況2017』白書(以下、「白書」と称する)を発表した。
知財権の保護は、良好な経営環境作りの鍵となる一環である。データによると、2017年の全国の専利の行政法執行案件数は同期比36.3%増の6.7万件であった。商標の行政法執行案件数は3.01万件で、被害額は3.33億元であった。版権管理機関は権利侵害・海賊版案件3100件余りを取り締まり、海賊版製品605万点を押収した。税関は権利侵害の輸出入品1.92万ロットを押収しており、押収された権利侵害品は4095万件で、被害額は1.82億元であった。全国の裁判所は知財権に関する民事、行政、刑事訴訟一審案件21.35万件を新規に受理し、20.3万件の審理を完了した。それぞれの件数は同期比40.37%増と38.38%増であった。検察機関は知財権侵害容疑案件2510件に係わる4272人の逮捕を許可、3880件の案件について7157人を起訴した。公安機関は知財権侵害や偽物・粗悪品製造販売案件1.7万件を摘発し、その被害額は64.6億元であった。その他、上級公安機関は44件の重大知財権侵害案件の処理を重点に置いて監督した。また、「護航」、「雷霆」、「清風」、「龍騰」、「剣網」、「遡源」などの行政法執行キャンペーンが深く展開され、知財権保護に対する公衆満足度は76.69点に上がった。知財権保護センター14カ所が設立され、知財権の保護サポート及び知財権侵害の通報や訴えに関するネットワークが全国ほとんどの地域をカーバーした。企業商標の海外での権利保護調整メカニズムの構築が模索されている。正規版ソフトの持続利用メカニズムの構築が推進され、16の省(区、市)における389の単位(訳注:企業、行政機関、大学などを含む社会組織の総称)に対しソフトウェア正規版化検査が行われた。
また2017年には、中国の知財権創出が質量ともに良好な状況を見せた。年間の発明専利出願数が同期比14.2%増の138.2万件で、7年連続世界1位となり、PCT国際専利出願の受理数は同期比12.5%増の5.1万件で、世界2位に躍進し、発明専利の保有数は1万人あたり9.8件になった。また、商標登録出願の受理数は同期比55.72%増の574.8万件で、16年連続世界一となり、有効商標登録数は累計1492万件となった。中国出願人によるマドリット商標国際出願は4810件で、世界3位であった。作品、コンピューターソフトウェアについての著作権登録数はそれぞれ同期比25.15%増の200.2万件、82.79%増の74.54万件であった。農業、林業における植物新品種権の出願件数はそれぞれ3842件、623件であった。地理的表示保護製品の数も安定的に成長している。