オランダの画家、レンブラント・ファン・レインの有名な絵画「夜警（Night Watch）」の全体（下図）は、商標として登録できるのだろうか？ ベネルクス商標庁は2015年に、当該商標が複雑すぎるため商標として機能しないと判断した。さらに、この絵画には識別力がないとも。
最近、ベネルクス商標庁は「Nachtwacht （Night Watchのオランダ語）についてもう一度判断を迫られた。マットレスで有名なベルギーの企業、De Nachtwacht社は、マットレス、毛布とその小売を指定した自社の登録商標「DE NACHTWACHT」を根拠に、左上図のロゴの出願に対して異議を申立てた。出願された商標は、家具と毛布などを指定したスタジオ100のものであった。
スタジオ100は、ベネルクス商標庁に対して異議申立の根拠となっている商標が使用要件を満たしているか、証拠の提出を要求した。ベネルクス商標庁は商品に関して使用証拠がないとの見解を示したが、マットレスなどの小売で商標の使用を認めた。争われた区分の商品のほとんどは類似するため、De Nachtwacht社は異議を成功させることができた。
今回の教訓は、しばしば会社名と同じ商品名を見かけるが、誰もが商品名の商標登録だけに注目する。しかし、小売を含む35類の出願も非常に意味を持つことがある、ということだ。
