最近韓国では、検察が複数の国内有名フランチャイズ企業の代表らを業務上背任罪で大々的に在宅起訴するという事件があった。
検察は4月30日、各フランチャイズ企業の商標を会社代表やオーナー一族などが個人名義で登録/所有し、会社から商標使用料などを受け取ってきた行為等に対し、これを業務上の背任罪とみて刑法第356条(業務上の横領と背任)および特定経済犯罪加重処罰などに関する法律第3条(特定財産犯罪の加重処罰)違反の嫌疑で法院に起訴した。対象企業には韓国の需要者に広く知られている粥、チキン、製パン、ポッサム等のフランチャイズ企業が多数含まれている。
検察は、たとえ個人が興した事業であっても、フランチャイズ事業を開始した以上、その商標は会社(法人)に移転するべきであるにもかかわらず、該当企業らの代表またはオーナー一族らはフランチャイズ商標を個人名義で所有し続け、商標使用料の名目で会社から多額のロイヤリティを受け取り、または商標権移転の対価として巨額を受け取ることにより私益を追求したもので、このような行為は任務違背行為として、財産上の利益を取得して会社に損害を加える行為、すなわち業務上背任罪に該当すると判断し起訴に至ったと明らかにした。
このような検察の起訴に対しては、フランチャイズ業の特徴や実情を把握できていない、あるいは創業者の不断の努力と投資により成長してきたフランチャイズ企業の商標権を会社に移転することを当然視するのには無理があり、商標そのものの選定および創作過程と、使用による信用獲得への寄与度はどちらが高いかについては確かめるべき部分が多く、併せて、適正な商標使用料および商標権譲渡価格の水準と、不当な利得ないし私益の追求というものの境界線がどこかというのも線引きが難しい問題であるという批判も起こっている。
特許庁による2015年の「加盟事業分野商標権保有現況調査」結果によれば、加盟事業(フランチャイズ)関連登録商標のうち約77%が会社代表またはオーナー一族の名義で所有されていることが明らかになったが、このような状況で、今回の事件は商標権の所有と使用および収益構造をどのように配分していくべきかという点に対して大きな課題を投じているといえる。今後法院がこの複雑な問題をどのように整理していくのか帰趨が注目される。