最高検察院が記者会見で検察機関の知財権司法保護強化状況を発表
最高検察院(以下、「最高検」と称する)は4月25日、「知財権の尊重、司法保護の強化」をテーマに記者会見を開き、検察機関の知財権司法保護強化の状況を通達した。記者会見では、検察機関は2017年に、知財権に係わる犯罪案件3674件、6809人を起訴し、知財権民事紛争に係わる民事行政検察案件について、38件の当事者の提訴を支援したことが明らかとなった。
「北京市検察機関は偽物IPHONEの越境受託製造案件の起訴に成功し、江蘇省泰州市検察機関は偽「太太楽」調味料製造販売の一連の案件において、その背後の知財権侵害の犯罪事実を解明し、法に基づき11人を起訴した。」、最高検の肖玮スポークスマンはこのように紹介した。2017年に全国の検察機関は各種の法律監督職責を積極的に履行し、法に基づき知財権侵害犯罪を取り締まり、知財権に対する司法保護を全面的に強化し、新しい進展と成果をもたらした。年間で知財権犯罪案件2510件にかかわる4272人の逮捕を承認し、知財権犯罪案件3674件にかかわる6809人を起訴した。うち、ニセ商標登録罪、ニセ登録商標商品販売罪、登録商標のロゴを不法製造し、及び不法製造された登録商標のロゴを販売した罪に問われた被疑者3975人の逮捕を承認し、6468人を起訴した。著作権侵害案件67件にかかわる115人の逮捕を承認し、156件にかかわる272人を起訴した。商業秘密侵害罪32件にかかわる59人の逮捕を承認し、24件にかかわる61人を起訴した。更に、併合罪に知財権侵害罪を含む案件9件における27人の逮捕を承認し、牽連犯で知財権侵害罪を含む案件48件における87人の逮捕を承認した。
説明によると、検察機関は刑事事件立件の監督、民事行政の抗訴(訳注:再審手続きとは別に、検察が裁判所に「抗訴」を提起することで、裁判所の確定判決等の効果を覆すことができるという法制度)、判決執行の監督など法的監督機能を十分に果たし、商標権侵害・ニセ商標分野における、案件を移送しない、立件しない、刑事責任追及の代わりに行政罰に処する問題や、不公平な裁判、執行力欠如などの問題を速やかに是正した。2017年に全国の検察機関が公安機関を監督し立件した知財権侵害案件は211人が係わる180件であった。知財権犯罪案件捜査中の違法行為について、書面で公安機関に提出されたものは86件(回)で、うち68件(回)について公安機関は是正した。また、39件の知財権侵害に関する重大・典型案件の処理を監督した。
同氏の説明によると、検察機関は、法に基づき企業や知財権団体管理組織の提訴をサポートすることで知財権を保護するほか、知財権係争案件の執行に対する監督の強化にも力を入れている。2017年以降、全国の検察機関は38件の知財権民事紛争に係わる民事行政検察案件について当事者の提訴を支援した。
「これから検察機関は、知財権侵害行為、特に悪意の権利侵害、繰り返し権利侵害を厳しく取り締まり、情状が深刻で、影響が悪い知財権侵害案件を重点的に取締まる。抗訴、検察建議、提訴支援、職務履行の督促など各種の監督方式にて知財権係争案件に対する法律監督を強化する…」と、同氏は語り、また、次のステップで検察機関は法律監督の職責を全面的に全うし、知財権強国の構築に注力すると述べた。