米国特許商標庁(USPTO)は、Play-Doh(プレイドー:小麦粉でつくった粘土)に対してその独特の香りを保護するために商標権を付与したが、プレイドーがもしEUで同じ挑戦をした場合の可能性についてNovagraafのTrecina Surti が解説する。
匂いのような非伝統的商標を登録するにはかなりの困難が予想される。商標は、商品やサービスに関する明確な出所表示を消費者に提供するためのもので、それには文字や図形(ロゴを含む)の方が簡単に目的を達成できるからだ。
多くの人が、おそらく子供の頃からか、親としてか、プレイドーの独特の香りに触れているかもしれないが、商標として機能するのに十分識別性があると言える匂いなのだろうか?
USPTOは、最近その識別力を認める判断をし、米国の大手玩具メーカー、ハズブロ(Hasbro)の商標登録を認めた。そこには保護されるプレイドーの匂いに関して「わずかなチェリー香を含んだ甘くて麝香質のバニラ風の香りと塩漬けされた小麦ベースの生パンの自然な香りとを組み合わせたユニークな香り」と記載されている。長年にわたる使用により独特の香りが識別力を得ていることの実質的な証拠と共に、プレイドーの容器が提出された。
このUSPTOの判断は英国やEUに影響を及ぼすだろうか?
簡単に言えば、答えはノーである。UKIPO(英国知的財産庁)とEUIPO(欧州連合知的財産庁)は、基本的に非伝統的商標の商標登録に関して厳しく対応しているため、匂いの商標登録は特に、明確、正確、自己完結、容易な再現、分かりやすさ、永続性、客観性(clear, precise, self-contained, easily accessible, intelligible, durable and objective: Sieckmann 対 ドイツ特許商標庁)が必要であるとして、しばしば登録に困難が伴う。匂いの商標は、常に主観的な要素を持つことになるため、一般的にこのハードルをクリアできない可能性が高い。しかし、ハズブロが近い将来にプレイドーの香りを保護するためにEU商標の登録を試みるとしたら大変興味深いものになるだろう。
本文は こちら (Unlikely victory for non-conventional trademarks in the US)