2018-07-09

インド:「GOLDSMITH」の素早い結審 - R.K.DEWAN & Co.

原告Hub International Industriesは、被告NV Distilleries&Breweries Pvtに対して、ジン、ラム、ウォッカ、ワイン、ブランデーをブレンドしたプレミアムウイスキーを含むアルコール飲料の製造、瓶詰め、販売、提供、その他の取引を行うことを禁じる恒久的差止命令を求めて訴訟を提起した。原告は、被告の商標「GOLDSMITH」が原告の登録商標「BLACKSMITH」と混同するほど類似しているとして、損害賠償と製品の廃棄などを求めた。
しかしながら、暫定的な差止命令は認められず、事案の整理と暫定救済(interim relief)申立ての審理が行われることはなかった。

裁判所は、両代理人の意見を聞いた上で、「BLACKSMITH」と「GOLDSMITH」の2つの文字は共に明確な意味を持っており、英語に不慣れであってもインド人の大部分は、その違いを明確に理解できる。特に、裁判所からの質問で、原告代理人は原告の売上の90%以上が国防軍と警察にある食堂での販売から得ているものだと述べていることからも、裁判所は、商標侵害を構成することはなく、「BLACKSMITH」と「GOLDSMITH」の2つの文字に共通する「SMITH」という文字によって混同は引き起こされるないことを明らかであると判断した。
裁判所はまた、パッケージに関しても2つの製品間に類似性はなく混同する虞はないとの認識を示した。裁判所は、商標間に共通する文字による混同を引き起こすとした幾つかの判例にも言及したが、今回の事案はそれらとは異なるとの見解を示した。

この裁定における興味深い点は、裁判所は訴訟が成功する見込みがないことを理由に、事案の整理の段階で訴えを却下し、裁判所が無駄な証拠、審理等で負担をかけられるべきではないとしたことか。

 本文は こちら (Speedy Justice for “Goldsmith”