2018-10-10

ベトナム:商標の不使用取消リスクに対応策 - AGELESS IP Attorneys and Consultants

現在、ベトナムで毎年登録されている数万の商標のうち、実際には商業的に使用されていないか、使用が最初の数年間だけである商標が多数存在している。一方で、既存の登録商標と同じ商標を出願し、引用された商標の取消しを求めることで、既成の評判にフリーライドするために事業活動にそのような商標を使用することを望む個人や団体も多くいる。その結果、ベトナムで不使用を根拠とする商標の取消手続が多くなっている。

ベトナムの知的財産法の規定によれば、所有者またはライセンシーが正当な理由なく商標を5年間使用しておらず、取消請求の少なくとも3ヶ月前以前に使用が開始または再開されなければ、商標登録の有効性を取消すことができる。

また、ベトナムでの商標の使用は、以下のように規定されている。
a/ 商品,商品包装,又は営業の手段若しくは事業活動におけるサービス及び通信書類の提供の手段に保護された標章を付すこと
b/ 保護された標章を付している商品を流通させ,又は提供し,広告し,販売用に保管すること
c / 保護された標章を付している商品又はサービスを輸入すること

ベトナムで保護された商標に関連する実際の事業活動が5年間行われていない場合、商標権者は、取消し請求に備えて知的財産権を保護するための使用証拠を作成するために以下の点を考慮すべきであろう。

解決策1:登録日(または商標の最終使用日)から4年半経過したら、商標所有者は第三者による同一または類似する商標が出願されていないか検索する。
* 何も見つからなかった場合:ベトナムで知的財産権を維持するために、商標所有者は、第三者からの不使用取消しに備えて、NOIP(ベトナム国家知的財産庁)に同一商標を再出願する。
* 何か見つかった場合:商標所有者は、NOIPに第三者が出願した同一または類似する商標に対して異議申立を行う。

解決策2:上記の知的財産法の規定により、保護された標章を付している商品の販売広告や販売用に保管する行為は商標の使用証拠となる。
商標権者は、ベトナム商工省(MOIT)の下部組織である貿易・産業協力振興財団(ITIC)が保管およびスキャン可能な出版物のリストにある特定の新聞や雑誌に商標を付した商品・サービスの広告を出すことも有効であろう。
実際に、ITCのデータベース上で実施された調査は、ベトナムにおける商標の取消手続において第三者に優先して、取消請求に伴う裏付け文書として機能することが分かっている。

本文は こちら (TRADEMARK NON-USE & RISK OF CANCELLATION IN VIETNAM)